NVIDIAの新たなミドルレンジ「GeForce GTX 1660 SUPER」を試す:スペックにだまされてはダメ(3/3 ページ)
NVIDIAは、Turing世代のRT/Tensorコア非搭載GPU、GeForce GTXのラインアップとして、新たに「GeForce GTX 1660 SUPER」および「GeForce GTX 1650 SUPER」を追加した。今回は、10月29日に販売開始されるGeForce GTX 1660 SUPERを検証してみよう。
ReShadeフィルターがGeForce Experienceから利用可能に
本製品のリリースに合わせて、Game Ready ドライバ側の新機能もいくつか発表されている。画像鮮明化フィルターが改良され、NVIDIA Ultra Low Latency(NULL)モードがアップデートされ、G-SYNC可変レートテクノロジに対応し、ゲームプレイ時の応答速度やテアリングの解消などが進化する。
また、いわゆる映像MODの一種となるだろうか。「ReShade」フィルターをGeForce Experienceから利用可能になった。今回はこれの画面を紹介しよう。
ReShadeフィルターの導入方法に関しては、事前レビューということもあり用意されたファイルを、指定のフォルダーにコピーする必要があった。本日公開されるドライバでは、16のフィルター(うち14フィルターがFreeStyleから利用できる)が含まれているとのこと。手動でコピーすることで、フィルターを追加することも可能なようだ。このあたり、ドライバとGeForce Experienceをアップデートして試していただきたい。
準備ができたところで、ReShadeフィルターが対応するゲームを起動する。今回はShadow of the Tomb Raiderで試してみた。ゲームが起動すれば、メニュー画面でもどこでもよいので、Alt+F3キーを押すと、ゲーム画面にオーバーレイされる形で左側に「ゲームのフィルタ」というメニューが表示される。スタイルと書かれた1〜3の数字はプリセット(標準ではカラだった)だ。
適当な数字を選び、その下にあるフィルターの追加から利用するフィルターを指定していく。追加したフィルターはリアルタイムで適用されるので効果を確認でき、フィルターをクリックすると詳細設定メニューも表示される。複数のフィルターをかけることも可能だ。
ここではReShadeの効果を伝えるため、あまりゲームプレイ向きではないフィルターを追加しているが、実際には普段のプレイで感じるささいな不満(青みを抑える、少し明るくするといった具合)を解消するような使い方が可能だ。フィルターを適用することで、フレームレートには若干の影響があり、おそらくフィルターの種類や適用する数によっても変化する。
GeForce GTX 1660 SUPERの場合、2560×1440ピクセルの最高画質は厳しいが、1つ画質を落とすか1920×1080ピクセルとするならば、ReShadeは十分に実用的な印象だ。
ミドルレンジニーズを十分にカバーできる新GPU
GeForce GTX 1660 SUPERは、GeForce GTX 1660 Tiと1660の間に入る製品であり、やや古いデータとの比較のために一部で逆転現象も見られたが、おおむねその通りの性能になりそうだ。2560×1440ピクセルないし、1920×1080ピクセルでのゲームプレイに関しては、十分なフレームレートを比較的高い画質で実現できる。
価格は229ドルとされており、GeForce GTX 1660の当初の価格である219ドルから10ドル高いだけだ。国内では初値で3万円前後が予想される。もっとも半年少々早く発売されているGeForce GTX 1660 Tiの価格がこなれ、安価なものではほぼ変わらぬ格帯に落ち着いてしまっているのが悩ましいところかもしれない。GeForce GTX 1660 SUPERは、ある程度価格がこなれ、コスパが見えてくるまで本来の価値を測るのが難しいかもしれない。
一方、下位モデルのGeForce GTX 1660は、1660 SUPERよりも10ドル分だけでなく、価格のこなれ具合でも低価格帯だ。ただし、ほぼ同じスペックのメモリが違うだけでここまで性能差が出てしまうと、これからGDDR5というのが少々選びづらくなるかもしれない。性能面でも2560×1440ピクセルでは画質を抑える必要があり、1920×1080ピクセルでは60fps超の上積みがやや小さい。
スペックだけを見てしまうと、メモリが変更されただけとなるが、実際に検証してみるとGDDR5のGeForce GTX 1660とは大きな違いが感じられた。この点「いい意味でスペックにだまされてはダメ」だ。
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