Tiger Lakeの実力やいかに? Intelの「リファレンスマシン」でチェックしてみた(3/3 ページ)
Intelの「第11世代Coreプロセッサ(Tiger Lake)」を搭載するノートPCが順次発売される。前世代(Ice Lake)から設計に改良を加えて性能をアップしたというが、どれほどのものか。同社が用意した「リファレンスマシン」でチェックしてみよう。
3DMark
Tiger LakeのCPU統合GPUは、型番の末尾が「G4」のモデルは「Intel UHD Graphics」、「G7」のモデルは「Intel Iris Xe Graphics」となる。名前こそ異なるが、いずれも新しい「Xe(エックスイー)アーキテクチャ」を採用し、従来の統合GPUよりもパフォーマンスが向上している。
特に、今回のプリプロダクション機に搭載されているCore i7-1185G7に統合されているIris Xe Graphicsは、演算ユニット(EU)が96基で「エントリークラスの外部(独立)GPU並みの性能」を有しているという。
そこで、ULの3Dグラフィックスベンチマークアプリ「3DMark」を使ってその実力をチェックしてみよう。今回は、DirectX 11を利用する「Fire Strike」「Sky Diver」、DirectX 12を利用する「Time Spy」「Night Raid」の計4種類のテストを実行した。
結果は以下の通りだ。
- Fire Strike:4173
- Sky Diver:12058
- Time Spy:1487
- Night Raid:13350
ちなみに、第10世代のCore i7-1065G7(Iris Plus Graphics)を搭載するノートPCのスコアは以下の通りだった。
- Fire Strike:2910
- Sky Diver:9982
- Time Spy:973
- Night Raid:10439
先述のCore i7-1065G7搭載ノートPCにおけるテストで比較対象として登場した、NVIDIAの「GeForce MX250」搭載PCにおけるスコアは以下の通りだ。
- Fire Strike:2755
- Sky Diver:8950
- Time Spy:1009
- Night Raid:10608
スコアを見ると、GeForce MX250はもちろん、前世代のIris Plus Graphicsよりも良好なスコアを記録している。確かに、Intel言う通り「エントリークラスの外部GPU並みの性能」は確保している。グラフィックスの設定にもよるが、外部GPUを搭載しなくても十分にゲームを楽しめそうだ。
前世代から着実にパワーアップしているが……
リファレンスマシンを通して見る限り、Tiger LakeはIce Lakeから着実にパワーアップを果たしている。設計のリファインが性能面で奏功しているようだ。
だからこそ気になるポイントが、メーカーがオペレーティングレンジを一定の範囲内で自由に設定できるということだ。このことは言い換えれば「同じCPUでも設計によって性能が大きく変わりうる」ということであり、PCを選ぶ側からすると「このCPUならこういう性能」というめぼしを付けづらくなる。
性能を重視してノートPCを選ぶ人にとって、このようなベンチマークテストを使ったレビューは、これからますます重要度を増すのかもしれない。
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