「どう生きるか」でPCを選ぶ時代に向けて――富士通2020年個人向け冬PC 注目機種を紹介(2/3 ページ)
富士通クライアントコンピューティング(FCCL)が2020年冬商戦向けの新モデルを発表した。あらゆるニーズに応えるべく非常に多岐に渡る新モデルの中から、筆者個人として注目する機種を紹介する。
ボリュームゾーンの15.6型に現われた新星「LIFEBOOK TH」シリーズ
家庭向けのノートPCにおいて、一番販売台数が多いのが15.6型モデルだ。今回、そのメインストリームである「LIFEBOOK AH」シリーズに第11世代Coreプロセッサ搭載モデルを追加した他、新たなコンセプトの「LIFEBOOK TH」シリーズを投入することでラインアップを拡充する。
THシリーズといえば、かつては画面回転式の2in1ノートPCだったが、今回は「生活空間と調和する、家電のように使えるノートPC」(高嶋敏久執行役員)として登場する。
新しいTHシリーズは、「A4ノートPCは収納時に場所を取る」というユーザーからのフィードバックを受けて用意された充電スタンド(クレードル)が大きな特徴となっている。棚に置いておけばサッと取り出すことができ、電源ケーブルはHDMIケーブルをつないだ状態でTVのそばに置いておけば、TVに映像を映し出しつつ充電も行える。PCのスリープ中も音声入力を受け付けるように設定すれば、スマートスピーカーとして利用することもできるという。
家の中でも持ち歩くことを想定して、軽量化と薄型化も進めている。AHシリーズと比べると、重量は約650g、厚みは約8.6mm削減している。特に厚みの削減は、Microsoftが定める「Modern PC(モダンPC)」の要件クリアにもつながったそうだ。
リビングに置くPCとして、外観にも配慮している。天板やパームレストには、布(クロス)を意識したデザイン処理「X-TEXTURE(クロステクスチャー)」を採用している。「X」には、「デジタルとアナログ」「デジタル機器と生活」の交わり(クロス)という意味も込められている。
液晶一体型「ESPRIMO FH」シリーズはクリエイティブ用途を重視
液晶ディスプレイ一体型PCである「ESPRIMO FH」シリーズは、大画面を求めるホームユーザーから根強い人気を誇っている。今回の新製品では、従来からのシンプルなボディーデザインを磨き、より一層の薄型化を進めたという。家族の「作りたい、やってみたいという気持ちにストレスフリーで応える」(高嶋執行役員)べく、基本スペックも強化している。
ストレスフリーという観点では、モダンスタンバイに対応したことは非常に大きい。人が近づいたら赤外線カメラを有効化し、座ったらすぐに顔認証でログインできる「瞬感起動」も可能だ。
在宅勤務で業務用ノートPCを使う機会が増えたことを受けて、外部GPU搭載モデル(FH-G/E3)を除く全モデルにHDMI入力端子を搭載した。ノートPC用のセカンドディスプレイとしてはもちろん、据え置きゲーム機のディスプレイとしても活用できる。
今回、FHシリーズの新製品には23.4型の4K(3840×2160ピクセル)液晶ディスプレイと外部GPU「Radeon RX 5300M」(グラフィックスメモリ3GB)を搭載するクリエイター向けモデル「ESPRIMO FH-G/E3」も用意される。
APU(GPU統合CPU)は「Ryzen 7 4700U」(2G〜4.1GHz、8コア8スレッド)で、パフォーマンスが必要な場合のみ外部GPUを有効化するといった使い方もできる。冷却機構に工夫を加えることで、GPUをオンにした状態でも騒音を図書館レベルに抑えたという。
液晶ディスプレイは長時間の利用にも適した非光沢加工で、sRGBの色域を95%カバーした。クリエイティブアプリもプリインストールしているので、すぐに創作活動ができることが強みでもあるという。液晶ペンタブレットを別途用意すれば、デュアルディスプレイ環境でより快適な作業を期待できる。なお、FCCLではワコム製の液晶ペンタブレット「Cintiq Pro」「Intuos Pro」の動作を確認済みだ。
PCゲーミングでの利用も意識して、2.5GBASE-Tに対応する有線LANポートを備えた他、「Xbox Game Pass for PC」の30日利用権も付属している。
FH-G/E3には、6種類のクリエイター向けアプリをプリインストールしている。加えて、FHシリーズ共通のAdobeアプリ(Photoshop、Lightroom、Premiere Pro、Acrobat Pro DC)の1カ月間無料体験特典も利用できる
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