実は一番日本語入力をしやすい? ゲーミング超小型PC「OneGx1」で文字入力をしてみよう:超小型PCの道(1/2 ページ)
ゲーミングに焦点を当てた超小型PC「OneGx1」だが、特徴的なゲームコントローラーを取り外すと、よりコンパクトな超小型PCとしても使えなくもない。キーボードでの文字入力がどんなものか、試してみようと思う。
中国One-Netbook Technologyの「OneGx1」は、オプションのゲームコントローラと組み合わせた「超小型PCだけどゲーミングPC」として、その存在価値を訴求しているモデルだ。本体の左右両脇にゲームコントローラを装着し、本体背面に飛び出した大型のクーラーユニットが青いLEDを輝かせている姿を見ると、なるほどこれは超小型ゲーミングPCじゃん、と思ってしまう。ITmedia PC USERでも、国内発表会の模様やゲーミング目線でのレビュー記事が掲載されている。
しかしゲームコントローラを外してしまえば、(背面のクーラーユニットは気になるものの)その姿は同社のこれまでの「OneMix」シリーズとさほど変わらない。OneGx1を汎用(はんよう)超小型PCとして見ると、OneMixシリーズとは何が違い、どういう立ち位置になるのだろうか。
この記事では、本来のコンセプトとは異なってしまうだろうが、超小型PCユーザーとしては気になる「汎用超小型PCとしてのOneGx1」の実力と使い勝手、特にキーボード回りについて評価してみたい。
- 超小型PC特集
【第1回】「GPD Pocket 2」開封レビュー! 初代Pocketとの比較も
【第2回】超小型PC「GPD MicroPC」評価機開封レビュー!
【第3回】OneMix2Sシリーズ予約販売開始
【第4回】OneMixのこだわりを社長に聞く
【第5回】次期モデルOneMix3をチェック
【第6回】さくらピンクエディションフォトレビュー
【第7回】8型の超小型2in1 PC「MiniBook」がクラウドファンディング開始
【第8回】CHUWIの8型超小型PC「MiniBook」を試す
【第9回】PC界の“ワークマン”GPD MicroPCの「立って使う幸せ」を考察
【第10回】新島でヨットに暮らして超小型PCでテレワークをした話
【第11回】PC界の“ワークマン”GPD MicroPCの「シリアルポート」を活用する
【第12回】GPD Pocket 2のキーボードを“ねちっこく”使ってみた
【第13回】超小型PCのOneMix2Sを“ねちっこく”触ってみた
【第14回】第10世代Core搭載の超小型PC「OneMix3 Pro」が国内販売開始
【第15回】第10世代Coreの超小型PC「OneMix3 Pro」をねちっこく触ってみた
【第16回】思わず衝動買いした「GPD P2 Max」の出会いと別れ
【第17回】「CPUは同じだけどMaxとはこれいかに」なGPD P2 Maxを検証する
【第18回】「GPD P2 Max」を使い込んでメインPCにしてみた
【第19回】超小型PC「GPD P2 Max」とシウマイ弁当は共存できるかをやってみた
【第20回】“イチキュッパ”の実力は? ドン・キホーテの激安超小型PC「NANOTE」
【第21回】ゲーマー視点で超小型PC「OneGx1」をいじってみた
ストレージの「Micro PCI-e」にご用心
ゲーミングを意識した超小型PCということで、そのシステム構成はハイエンドクラス……と思いきや、搭載するCPUはCore i5-10210Y(1GHz〜4GHz、4コア8スレッド)と、モバイル向け第10世代Coreプロセッサ(開発コード名:Comet Lake)としてはミドルレンジのものだ。2020年8月時点におけるOneMixシリーズの最上位モデル「OmeMix3Pro プラチナエディション」がCore i7-10510Y(1.2GHz〜4.5GHz、4コア8スレッド)を搭載していることを考えると、“控えめ”な仕様といえる。
メインメモリはLPDDR3規格で、容量は8GBか16GBを選べる。ストレージは“Micro PCI-e”接続のSSDで容量は256GBもしくは512GBから選択できる。システムメモリもストレージも容量だけを見ると十分なように見える。
少し気が早いかもしれないが、ここでOneGx1のモバイルPCとしての実力をチェックしてみよう。今回は、CPUのテストを行う「CINEBENCH R20」、PC性能を総合的にベンチマークする「PCMark 10」、ストレージの読み書き速度をチェックする「CrystalDiskMark 7.0.0g」、そしてバッテリー持ちをチェックする「BBench 1.0.0」の5種類を実行している。比較対象として、OmeMix3 Pro プラチナエディション(OM3Pプラチナ)と、Core i3-10110Yを搭載する「OneMix3 S+」のスコアを並べている。
なお、OneGx1を含むテスト機材の構成は以下の通りとなっている。BBenchではディスプレイ輝度を100段階の下から50レベルとし、電源プランをパフォーマンス寄りのバランスに設定して測定している。
モデル名 | OneGx1 | OM3Pプラチナ | OneMix3S+ |
---|---|---|---|
CPU | Core i5-10210Y | Core i7-10510Y | Core i3-10110Y |
メインメモリ | 16GB | 16GB | 8GB |
SSD | 512GB | 512GB | 256GB |
直販価格(税別) | 11万6900円(LTEモデル) | 12万5100円 | 8万7120円 |
ベンチマークの結果は以下のようになった。
モデル名 | OneGx1 | OM3Pプラチナ | OneMix3S+ |
---|---|---|---|
PCMark 10 | 3267 | 3332 | 2598 |
CINEBENCH R20(マルチ) | 877 | 912 | 599 |
CINEBENCH R20 (シングル) | 304 | 322 | 315 |
CrystalDiskMark 7.0.0g リード(SEQ1MQ8T1) | 446.08MB/s | 1450.63MB/s | 1388.6MB/s |
CrystalDiskMark 7.0.0g ライト(SEQ1MQ8T1) | 435.57MB/s | 803.84MB/s | 777.95MB/s |
BBench 1.0.1 | 6時間25分34秒 | 6時間27分38秒 | 7時間8分55秒 |
CINEBENCH R20やPCMark 10の結果は、CPU相応といった印象だ。CrystalDiskMark 7.0.0gのスコアは、他の2モデルと比べると大幅に低い値となった。
ここで注意したいのが、OneGx1のストレージ接続規格「Micro PCI-e」だ。
ストレージ情報取得ツール「CrystalDiskInfo 8.5.2」によると、搭載するSSDは「Hoodisk SSD 512.1 GB」とあり、対応転送モードは「PCIe 3.0 x2」となっている。一方で、搭載するSSDのメーカーであるHoodiskのWebサイトでは出荷しているSSDが全て「Serial ATA 6Gbps対応」、つまりSerial ATA 3.0接続であるとしている(参考リンク)。実際、ストレージの転送速度を測定するCrystalDiskMark 7.0.0gのスコアは、Serial ATA 3.0接続のSSDで一般的なスコアとほぼ同等だった。
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