「Flashが終わり」を迎える2020年末、そして“復活”へ:Windowsフロントライン(2/2 ページ)
2017年の発表から2年半以上が経過し、ついにFlash Playerのサポートが終了を迎える。その現状と今後についてまとめた。
そして、よみがえる黄金時代
「Flashは滅びぬ、何度でもよみがえるさ」と誰が言ったかは定かではないが、2000年代には一種のインターネット文化にさえなったFlashコンテンツが、そのまま歴史から消えるわけではないようだ。
Webコンテンツのアーカイブを保存、公開しているInternet Archiveは11月19日(米国時間)、「Flash Animations Live Forever at the Internet Archive」のタイトルで、同団体がアーカイブ保存しているFlashコンテンツの数々をRuffleのFlashエミュレーターを使ってコレクションの一覧から実行できるようにしたことを発表した。
記事の最初に公開されているアニメーションが、「Loituma Girl」というのがそれっぽい雰囲気を既に醸し出しているが、アニメーションやゲームなど1500以上のFlashコレクションが同アーカイブ上で実行できる。
このFlashコレクションについて追加の記事も公開されているが、あくまで一連のコレクションは既存のアーカイブであり、新たに皆がFlashコンテンツを持ち寄って集積場とする性格のものではない。思い出は思い出として、過去を懐かしむ程度のものと考えておくといいだろう。
かつて、Flashは各社のインターネット戦略の一部だった。例えばFacebookのモバイル対応が遅れた理由の1つに、同プラットフォーム上でのゲームコンテンツがFlashをベースにしていたという点が挙げられる。
結果として、Instagramを含むモバイルに最適化された新しいソーシャルネットワークのサービスが登場する余地も生まれ、今日のインターネットを形作ることになった。かつてはFlashでないと実現できなかったことも、今はWeb技術の進化によりプラグインなしで実装可能になっている。時代がモバイル中心へと移りゆく中で、表現はさまざまな公開手段を得ることになり、Flashへの依存度もまた減少していった。
冒頭でも触れたが、現在のFlashコンテンツ利用シェアは2.3%の水準まで落ち込んでおり、もはやメンテナンスさえされなくなったサイトの中でのみひっそりと生き続けている。Internet Archiveのコレクションは、そういった過去に栄華を極めたFlashコンテンツの墓標なのかもしれない。
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