ミドルレンジTiger Lakeの実力は? デル「XPS 13 2-in-1」のCore i5モデルを試す(1/3 ページ)
第11世代Coreプロセッサ(Tiger Lake)を搭載する「XPS 13 2-in-1」の新モデルが登場した。今回は、Tiger Lakeの中ではミドルレンジに相当するCore i5-1135G7を搭載するモデルの実力をチェックしていく。
デル・テクノロジーズが10月に発売した「XPS 13(9310) 2-in-1」(以下「XPS 13 2-in-1」)は、最新の第11世代Coreプロセッサ(開発コード名:Tiger Lake)を搭載するコンバーチブルタイプの13.4型2in1 PCだ。12月28日現在は、Core i5-1135G7(最大4.2GHz、4コア8スレッド)またはCore i7-1165G7(最大4.7GHz、4コア8スレッド)を搭載する構成を選択できる。
Tiger Lakeでは、PCメーカーが製品の利用シーンに合わせてパフォーマンスをこれまで以上にコントロールできるようになった。処理能力優先ならTDP(熱設計電力)をオペレーティングレンジの上限近くに設定し、薄型化やバッテリー持ちを優先するならTDPをオペレーティングレンジの下限近くに設定する、といったことが可能である。
つまり、同じCPUを搭載していても、製品性によって性能が大きく変わる可能性が従来以上に高まったということになる。
Tiger Lakeを搭載する2in1 PCであるXPS 13 2-in-1はどのような“あんばい”になっているのだろうか。Core i5-1135G7を搭載する構成でチェックしてみよう。
なお、先述の事情もあるため、この記事のベンチマークテストではあくまでも「Core i5-1135G7を搭載するXPS 13 2-in-1のパフォーマンス」を確認していくものとして捉えてほしい。
2in1 PCは軽くなくてもいい
XPS 13 2-in-1のボディーサイズは約296(幅)×207(奥行き)×14.35(厚さ)mmで、重さは約1.3kgだ。「タブレットとしても使える2in1 PCとしては重いのでは?」と思うかもしれないが、2in1 PCのメリットは「タブレットとしても使える」ことよりも、「利用場面に合わせて形態を自由に変更できる」ということにある。
とりわけ、ディスプレイを330度近くまで開いた「テント」形状にして設置面積を最小化すれば、置くスペースに制約がある状況(例えば、書類やコーヒーカップやコンビニ弁当やお菓子が散乱する仕事机)でも使える。このことににメリットを見いだせるユーザーは少なくないはずだ(べ、べ、別に私のことじゃないんだからねっ)。
14.35mmという薄いボディーを実現するために、本体のインタフェース類は数と種類を絞っている。左側面にはThunderbolt 4(USB4)端子とmicroSDメモリーカードスロットが、右側面にはThunderbolt 4端子とイヤフォン/マイクコンボジャックを備えている。Thunderbolt 4端子はUSB Power Delivery(USB PD)による電源入力とDisplayPort Alternate Modeによる映像出力を兼ねている。
USB Type-Aで接続するデバイスやディスプレイなど、外部機器をつなぐ場合は、変換コネクターや各種ドッキングソリューションを用意する必要がある。直販サイトで購入する場合は、純正の変換コネクターやドッキングステーションを同時に購入できる。
無線通信は、Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)とBluetooth 5.1に対応している。モジュールはIntel製の「Killer Wi-Fi 6 AX1650」で、Wi-Fi 6(5GHz帯)における最高通信速度は2.4Gbps(理論値)となる。有線LANインタフェースは備えないので、必要に応じてUSB接続、またはThunderbolt接続のLANアダプターを用意しよう。
ディスプレイは13.4型液晶で、モバイルノートPCでよく見られる13.3型と比べて対角が0.1インチ長くなっている。解像度は1920×1200ピクセルで、アスペクト比は16:10となる。CPUをCore i7-1165G7とした場合は、3840×2400ピクセル液晶も選択できる。
ディスプレイはVESAが定める「DisplayHDR 400」に準拠している。最大輝度は500ニトで、「DCI-P3」に定める色域を90%カバーしている。表面は光沢加工となっているが、パネル表面に反射防止コーティングを施すことで周囲の映り込みを抑えている。
キーボードはピッチが実測で19.5mm(キートップのサイズは16.mm)、ストロークは実測で1mmとなっている。デスクトップPC向けのキーボードと同等のキーピッチを確保しているが、ストロークは浅めだ。
キーは「MagLev(マグレブ)」と呼ばれる機構で支持されている。名前からも察しの通り、MagLevは磁力の反発力でキートップを“浮かせる”ことが特徴だ。パンタグラフ機構などを省略できるため、キーボードユニットを薄く作ることが可能で、XPS 13 2-in-1では従来モデルよりも約24%薄くなっているという。
MagLevキーボードはXPS 13(2019年モデル)でも採用されているが、そのタイプ感は「キーボード」というよりも「電卓」に近かった。今回のXPS 13 2-in-1では、従来と比べてやや重くて固いタイプ感となっている。
なお、ディスプレイを開くとキーボード側の本体後部が浮いて、傾斜が付くようになっている。とはいえ、その角度はわずかである。
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