慢性的なGPU不足で強まるBTO PCやゲーミングノートPC推奨の流れ:古田雄介の週末アキバ速報(1/2 ページ)
グラフィックスカードの枯渇具合に大きな変化は起きていないが、それゆえに新たな自作街のトレンドの兆しが出始めている。また、AMD Ryzen 5000シリーズの入手性はグンと向上した。
グラフィックスカードの供給具合は、2月に比べて回復したとの声を聞く一方で、売り場での枯渇具合は相変わらずだ。グラフィックスカード売り場では、製品の代わりに購入制限や中古買い取りのPOPが目立っている。
RTX 3000シリーズが取り合いになりにくい選択肢が注目される
あるショップは「悔しいですけれど、転売の需要が落ち着くのを待つしかない状況です。マイニングするにも店頭にモノがなく、高くても掘っていれば元がとれるからとフリマで転売品を買う人が出てくる。普通の価格で普通にグラフィックスカードを使いたい人が蚊帳の外になってしまっています」と嘆く。
そのような中で、じわじわと目立つようになっているのはPCパーツ以外でGPUを得る方法だ。TSUKUMO eX.のショーケースには自社BTOモデルの構成が貼られ、「BTOなら3070あります!!」とPOPが付けられていた。BTOマシンに使われるPCパーツは供給ルートが単品売りとは異なる上に、PC1台での販売となるため、グラフィックスカードのみを求める層のターゲットにはなりにくい利点があり、比較的入手しやすい。
また、ゲーミングノートPCのBTOモデルをプッシュするショップもある。パソコンSHOPアークは「ゲーミングノートPCの性能は一昔前と比べてずいぶん向上していますし、今は相対的に割安感もあります。Core i5とGeForce RTX 3060を搭載した15.6型フルHD対応のノートPCが税込み13万円で買えたりしますから」とプッシュしていた。
“PCパーツがなければBTOやCTOのモデルを”。その考えに同調する別のショップは「一時の狂乱と供給難で『じゃあ、もうPCにこだわるのはいいや』となるのが怖い。必要な人だけじゃなく、趣味の人も欲しくなるような場をキープすることが何より大事です」と語る。
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