グラフィックスカードの購入は月1回まで――新たな転売対策を立てるショップも:古田雄介の週末アキバ速報(1/2 ページ)
半導体不足が年末まで続く予測と、ビットコイン高騰の記事が新聞などで踊る中、アキバでは今日もグラフィックスカードが枯渇している。その対策として、より強力な打開策を打ち出すショップも出てきた。
最近は、一度品薄化したPCパーツはなかなか回復しない傾向があるが、AMDのCPU「Ryzen 5000」シリーズは「Ryzen 7 5800X」や「Ryzen 5 5600X」などのモデルを比較的潤沢に在庫しているショップが増えており、シリーズ通して全滅という事態からは脱しつつある。
ドスパラ各店がグラフィックスカードの購入制限を強化 4月17日から
一方で、改善の糸口が見えないのがグラフィクスカードだ。どこのショップもコーナーの棚がごっそり空になっている。あるショップは「供給は2月と比べればマシになっていますが、それが関係ないくらいに転売が横行しています。アキバの店舗を回ってグラフィックスカードを買う人員を雇って、元締めがフリマで売るというビジネスができあがっているんです。2018年の暗号資産ブームでも、ここまでじゃなかった」と苦しそうな表情で語る。
ほとんどのショップがグラフィックスカードの購入は1グループ1台と限定している。しかし、くだんの相手は人を雇って遠隔操作をしている上、軽く変装して2度買いに来ても店側は強く拒否できない。
そこで、一段強力な購入制限の実施に踏み切ったショップもある。
ドスパラは、ネットショップを含めた系列店でのグラフィックスカードの購入条件に、ドスパラ会員登録をしていること、過去1カ月以内に系列店でグラフィックスカードを購入していないことを盛り込んだ。購入履歴がたどれる状態にし、月イチを超えるペースでの購入は控えてもらうという作戦だ。今週末から当面の間続けるという。
ドスパラ秋葉原本店は「当面はGPUの種類を問わずに実施します。本当にPCパーツを求めている人に届けられるようにどうにかしたいと思いますので、ご協力をよろしくお願いします」と話していた。
次はリニューアルセールのお話だ。
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