「今、ゲーミングPCを組むなら15万円」――1年前から変わった常識:古田雄介のアキバPick UP!(1/4 ページ)
ゲーミングPCを一式組み立てる予算の最低ラインが、ここ最近大きく上昇した。多くのショップは15万円を目安に挙げる。「1年前なら10万円と言っていましたが」とこぼしつつ。
夏休みはPCパーツの一式買い需要が増える。ただ、2021年の8月は「思っていた予算でゲーミングPCが組めずに涙をのんだ学生さんがいました」という話をちらほら聞いた。
原因は9割方グラフィックスカード――夏休みに涙をのんだ学生さんも
2021年に入ってPCパーツ、特にグラフィックスカードの値上がりが続いており、ゲーミングPCを組むトータルコストが上昇していることが背景にある。あるショップは「1年前は『予算10万円でゲーミング!』と売り出していたんですが、今はほぼ不可能なお題になってしまいましたね」と嘆く。
振り返れば、2020年6月には特別定額給付金(10万円)を元手に自作マシンを組むブームが起きていた。あれから、ゲーミングPCの最低ラインによく挙げられるGeForce GTX 1650搭載カードは2万円前後から3万円前後に上がり、GTX 1660は4万円前後〜、GTX 1660 TiやGTX 1660 SUPERは5〜6万円台が相場になるなど、軒並み上昇している(税込み、以下同)。
多くのショップが掲げる、ゲーミングPCを組む予算の最低ラインは15万円だ(PC本体のみ)。パソコンSHOPアークは「フルHD画質でそれなりの快適さを求めると、無理のない選択肢が維持できるのはだいたいそれくらいになります」という。ドスパラ秋葉原本店も同様の意見で、「一過性の値上がりならもう少し待つ手も有効ですが、現在の値上がりは慢性的ですからね……」と付け加えていた。
パソコン工房 秋葉原BUYMORE店が店内に掲げている低予算ゲーミングPCのパーツ構成でも、13万円台前半が“底”になる。同店は「人気タイトルがそこそこ快適に動くGTX 1660 TiとRyzen 5やCore i5、M.2 NVMe SSDを組み合わせると、この辺りが限界になりますね。GPUのグレードを落とせばもう少し予算を落とせるかもしれませんが、それでも10万円は難しい。それでいて、『本当にゲーミングPCとして推せるのか?』という領域に入ってしまいます」と解説する。
1年前に比べると厳しい状況と言わざるを得ない。ただ、半年前に比べると上向いているもの確かだ。別のショップは「今年の2〜3月頃はグラフィックスカード自体がなかったですからね。今は型番にこだわらなければ、モノ自体はあります。先日、大学に入ってからずっと組める機会を待っていたというお客さんも満足いく構成で一式買われましたし。まあ、多少はマシになってきているかなと前向きに捉えています」と笑顔で話していた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
7万円のRX 6600 XTカードが売り切れ続出という現実
相変わらず品薄傾向が顕著なRadeon RX 6600 XTにショート基板の新製品が加わった。7万円超の価格は同GPUとしては高価ながら、やはり間もなく売り切れそうだ。Radeon RX 6600 XTだけのピンポイント枯渇が続く
8月12日に登場したミドルレンジGPU「Radeon RX 6600 XT」を搭載したグラフィックスカードの在庫が一段と薄くなっている。静かながら、年末まで尾を引きそうな流れがあるという。「今までとは別の人たちです」――Radeon RX 6600 XT搭載カード、品薄の理由
Radeon RX 6600 XT搭載グラフィックスカードが街全体で枯渇気味になっている。マイニング目的で人気との話もあるが、グラフィックスカードの購入制限を強める動きは起きていない。Radeon RX 6600 XT搭載カードが登場!――「マイニング不安」の声も一部に
新GPU「Radeon RX 6600 XT」を搭載したグラフィックスカードが一斉に売り出された。「そこそこ好評」と語るショップが多い中で、一部から警戒の声も聞かれる。「宣言じゃなくて感染者数で」――アキバの客足が鈍る
炎天下のアキバは、普段の夏休み期間よりも人通りが少ないように感じた。PCパーツショップでも「確かに客足が鈍っています」とのコメントをいくつも聞いた。変化が起きている。