「AMDプロセッサ×Windows 11」のパフォーマンス低下が解消 アップデートの適用で
Windows 11を導入したAMDプロセッサのシステムにおいてパフォーマンスが低下する問題に対する修正プログラムが配信された。L3キャッシュのアクセス遅延はWindows Updateの適用で、UEFI CPPC2が適切に動作しない問題はチップセットのデバイスドライバーの更新で解消する。
Windows 11を導入したAMDプロセッサのシステムにおけるパフォーマンス低下問題について、MicrosoftとAMDは10月21日(米国太平洋時間)に修正するためのプログラムを配信した。
L3キャッシュに関する問題は「Windows Update」で解消
プロセッサ内にある「L3キャッシュ」へのアクセスが最大で3倍遅延する問題については、同日にWindows Updateのオプション更新プログラムとして配信が始まった「2021-10 Cumulative Update Preview for Windows 11(KB5006746)」に含まれるパッチで修正される。このアップデートを適用したWindows 11は、ビルド番号が「22000.282」となる。
AMDプロセッサ以外のシステムにも影響する問題も修正
KB5006746では、AMDプロセッサにおけるL3キャッシュ遅延問題以外にも、多くの問題が修正される。主な修正事項は以下の通りだ。
- IMEを使って特定の文字を入力するとInternet Explorer(※)が強制終了する問題の修正
- エクスプローラーでファイル名を変更する際に、新しい日本語IMEを使うと正しく操作できないことがある問題の修正
- 音声アシスタントの認識する音声がゆがんでしまう恐れがある問題の修正
- ロック画面の背景に「スライドショー」を設定すると、ロック画面の背景が真っ黒になってしまうことがある問題の修正
- Bluetooth接続のキーボードやマウスにおいて入力に対する反応が遅延することがある問題の修正
- 再起動後にデバイスを利用できるようになるまでの見込み時間の短縮
- 「Xbox Game Bar」の画面録画機能が利用できないことがある問題の修正
- Windows 11へのアップグレード後に一部のアプリの起動が遅くなることがある問題の修正
- スタートメニューが展開されている場合に、「ナレーター」を含むスクリーンリーダーアプリが正常に作動しないことがある問題の修正
- セカンダリーディスプレイ(メインディスプレイ以外のディスプレイ)で検索ウィンドウが正常に表示できないことがある問題の修正
- タスクバーのアプリアイコンをShiftキーを押しながらクリックしても、新しいウィンドウで開かれない問題の修正(複数インスタンスに対応するアプリ)
- Windows 11へのアップグレード後にスタートメニューやタスクバーが正常に動作しないことがある問題の修正(発生確率は低い)
(※)Windows 11にはアプリとしてのInternet Explorerはインストールされていないが、Microsoft Edgeの「Internet Explorerモード」のためにモジュールが存置されている
UEFI CPPC2に関する問題はチップセットソフトウェアの更新で対応
UEFI(BIOS)が持つ「CPPC2」機能が適切に動作しない問題については、AMDが提供する「AMD Chipset Software」をバージョン3.10.08.506以降に更新することで解決する。更新は、AMDのサポートサイトの自動検出機能を使って適用できる他、新バージョンのリリースノートからダウンロードすることも可能だ。
Zen+/Zen 2アーキテクチャのプロセッサでは追加操作が必要
Zen+/Zen 2アーキテクチャを採用するAMDプロセッサを使っているシステムでは、AMD Chipset Softwareを更新した後、電源プランを「AMD Ryzen Balanced」に変更する必要がある。手順は以下の通りだ。
- 「コントロールパネル」を開く(スタートメニューで検索することを推奨)
- 「ハードウェアとサウンド」を開く
- 「電源オプション」を開く
- 「AMD Ryzen Balanced」を選ぶ
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