もっと気軽にコンテンツ作成を――アドビが「Creative Cloud Express」を投入 モバイル+Web対応で無料プランもあり:Sparkをリブランド+機能強化
アドビがモバイル/Webブラウザ向けに提供しているコンテンツ制作ツールが「Creative Cloud Express」としてリブランドされることになった。AI技術「Adobe Sensei」などを活用した機能強化も図られており、誰でも簡単にプロ並みのコンテンツを制作できることがポイントだ。
アドビは12月14日、モバイル/Webブラウザ向けコンテンツ製作ツール「Adobe Spark」をリブランドし、「Adobe Creative Cloud Express(CCE)」として提供を開始した。無料で利用できるプランの他、月額1078円または年額1万978円(いずれも税込みで、初回3カ月間は無料)で利用できる「プレミアムプラン」や教育機関向けライセンスも用意されている。
なお、既にAdobe Sparkを利用しているユーザーはCCEの同等プランに移行される。有料サブスクリプションサービス「Adobe Creative Cloud Express」の一部プラン(※1)の利用者も、追加料金なしでCCEのプレミアムプランを利用可能だ。
(※1)コンプリートプラン、フォトプラン
CCEの概要
CCEは、アドビの理念である「すべての人に『つくる力』を」を体現すべく登場したという。SNSの投稿用画像からロゴ、チラシ、バナーまで、個人利用はもちろんビジネス利用にも耐えうる高品質なコンテンツを、アプリやWebブラウザを使って簡単に作れることが特徴だ。
アドビのAI(人工機能)技術「Adobe Sensei」を活用した編集機能も備えている。利用には「Adobe ID」または一部Webサービスのアカウント(※1)が必要となる。
(※1)Googleアカウント、Facebookアカウント、Apple ID(iOS/iPad OS用アプリのみ)
CCEのユーザーは、以下のアプリを無料で利用できる。CCEのプレミアムプランに加入すれば、各アプリのプレミアム機能も利用可能だ。
- アプリまたはWebブラウザから利用可能
- Creative Cloud Express(旧Adobe Spark Post)
- アプリから利用可能
- Premiere Rush(動画の撮影/編集/共有)
- Photoshop Express(静止画の編集)
- Adobe Spark Video(動画からスライドショーを生成)
- Adobe Spark Page(Webサイトの作成)
無料プランには2GBのクラウドストレージが付帯する他、数千種類のテンプレート、デザインアセットや「Adobe Fonts」を利用できる。「Adobe Stock」に収録されている一部のロイヤリティーフリー写真も利用可能だ。
プレミアムプランの契約者は、加えて以下の要素や機能も利用できる。
- プレミアム機能(カットアウトの調整、サイズ変更、グラフィックのグルーピングなど)
- PDFと他の画像形式との双方向変換/書き出し機能
- 「Creative Cloudライブラリ」からテンプレートやアセットを作成/管理/共有
- プレミアムテンプレート
- プレミアムデザインアセット
- Adobe Stockに収録されている“全て”のロイヤリティーフリー写真
- Adobe Fontsの「ライセンスフォント」(2万種類超)
- 100GBのクラウドストレージ
既存のCreative Cloudとの大きな違いは、とにかく“簡単”ということに尽きる。無料で使えるテンプレートやアセットだけでも膨大な数が用意されており、文字列やアイテムの配置を変えるだけで高品質なアウトプットを実現できる。
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