小型で軽量なポータブルPC「ONEXPLAYER mini」がどこまでイケてるのか確かめた(3/5 ページ)
液晶ディスプレイを従来の8.4型から7型に小型化したポータブルゲーミングPC「ONEXPLAYER mini」が登場した。miniながら内部スペックを強化し、新型ボディーを採用した実機をレビューする。
ベンチマークテストでその実力を測る
ここからは、ベンチマークテストを行ってONEXPLAYER miniの実力を見ていこう。本製品の製品版では、専用のユーティリティーからCPUのTDP(熱設計電力)を15W、20W、28Wと変化させて利用可能だ(評価機では導入されておらず、電源投入時にEscキーを長押しして起動したUEFIの設定画面でTDPを15Wおよび20W、28Wに変更した)。TDPを上げていけば、その分CPUを高い性能で使えるので、負荷が重いゲームでもよりスムーズに動かすことができる。
まずはゲームのベンチマークテストソフトの定番である「3DMark」において、TDPを15Wと20W、28Wに変化させたときの値を計測した。結果は以下の通りだ。
見て分かるように、当然ながらTDPが上がるにつれていずれのテストでもスコアが上昇している。とはいえ、DirectX 12を使ったテストであるTime Spyではそれほど差はなく、テスト中の動作を見ていてももっさりした動きであったので、ディスクリートGPUを搭載しないONEXPLAYER miniでは、そもそも荷が重い。
一方、CPU内蔵GPUの性能を測るNight Raidでは大きく差が開いており、TDPを上げて使う効果はありそうだ。AAAタイトルでも軽めのゲームであれば、TDPを高く設定することで快適にプレイできるようになると考えられる。
次に、実際のゲームプレイに近いベンチマークテストである「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」(以下、FFXIVベンチ)と、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」(以下、FFXVベンチ)を、1920×1200ピクセルの解像度で実行した。その結果は以下の通りだ。
FFXVベンチについては、TDP 15Wでは動作するのが難しかったため、28Wと20Wの結果を示しておく。20Wも最高品質ではベンチマークテストが途中でフリーズするなど、実行できなかった。
数値的には上記のような結果となったが、FFXIVベンチではTDP 28Wでも「標準品質(ノートPC)」で「やや快適」、TDP 20Wでは「普通」、「最高品質」ではいずれの場合でも「設定変更を推奨」という結果だった。
FFXVベンチベンチについては、同じく28Wで「軽量品質」でも「やや重い」、「標準品質」では「重い」、「高品質」では「動作困難」だった。TDPを20Wに落とすと高品質では動作が無理で結果が出ず、その他の品質でも「動作困難」だった。
ONEXPLAYER miniの画面解像度は先ほど述べた通り1920×1200ピクセルなのだが、TDPが20W以上であれば標準品質(ノートPC)程度のクオリティーならプレイできることが分かった。ただし、FFXVベンチベンチでは厳しい結果になった。
しかし何とかしてFFXVベンチでもよい結果を出すことはできないだろうか。そこで解像度を1280×720ピクセルに落とし、TDPを変化させて計測した。結果は以下の通りだ。
まずFFXIVベンチだが、1280×720ピクセルに落とした効果は大きく、TDP 28Wでは標準品質(ノートPC)で「やや快適」という結果だったが、TDP 20Wであれば最高品質でも「普通」になった。このため、1280×720ピクセルであれば、画質を上げた状態でプレイできそうだ。
肝心のFFXVベンチだが、ほとんどが「動作困難」という結果ではあるものの、TDPを28Wかつ軽量品質であれば「普通」というスコアになった。これらの結果から、負荷の高いゲームでも1280×720ピクセルであれば遊べるということが分かる。
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