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2年前、ハイエンドGPUは10万円だった――GeForce RTX 4080が二の足を踏まれる理由古田雄介のアキバPick UP!(2/4 ページ)

NVIDIAの新GPU「GeForce RTX 4080」を搭載したグラフィックスカードが多数登場した。ただし、初回の反響はRTX 4090搭載カードよりもずいぶん薄かった様子だ。その変化を知るために、新製品のレポートとともに数年前の店頭の空気感も振り返ってみよう。

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2極化が進行中!――2年前のRTX 3090/3080カード登場からの変化

 前世代のハイエンドGPUの主役は2020年9月17日に登場した「GeForce RTX 3080」で、初回に登場した搭載カードの価格は10万円弱から11万円強だった。GeForce RTX 30シリーズの先陣を切っての登場で、高い人気に供給不足も相まって品薄傾向は年を越えても続いた。

 上位モデルのGeForce RTX 3090搭載カードは、その1週間後に売り場に並んだ。価格は20万円強から24万円弱の間で、深夜販売では売り切れが続出したものの、その後はウルトラハイエンドとして別格に据えられ、マイニングブームでRTX 30シリーズが広範囲で枯渇したときも在庫が残っている光景がしばしば見られた。

 その独特の立ち位置は、RTX 4090カード登場時に聞いたパソコンSHOPアークのコメントに集約される。「RTX 3090は(前世代の)TITAN RTXの影を引きずっていたといいますか、まだ別枠感がぬぐえていなかったところがありました。それがRTX 4090が登場するまでに、かなり緩和された感がありますね」

2020年9月25日にパソコンSHOPアークで撮影したGeForce RTX 30シリーズの棚
2020年9月25日にパソコンSHOPアークで撮影したGeForce RTX 30シリーズの棚

 それから1年半が経過するまでに、グラフィックスカードの全体的な供給不足や価格高騰を経て、ハイエンドクラスに20万円を超える値段がつくことが珍しくなくなっていった。2022年1月に登場したGDDR6Xメモリ12GB版のRTX 3080搭載カードの価格が20万円強となっていたことが象徴的だ。

中央に12GB版の「GeForce RTX 3080 GAMING Z TRIO 12G LHR」がある
2022年1月14日に撮影したTSUKUMO eX.のショーケース。中央に12GB版の「GeForce RTX 3080 GAMING Z TRIO 12G LHR」がある

 この価格感はPCパーツ街である程度定着した観があるようだ。オリオスペックは「個人用の範囲でも、お金をかけるなら20万円や30万円のグラフィックスカードを選ぶことが普通になっているのは確かにありますね。ただ、バランスを求める従来の価値観もあり、二極化が続いていて両者の間の距離が大きくなっているところも感じますね」と話していた。

 パソコン工房 秋葉原BUYMORE店も「マザーボードも上位はとことん高価になる一方で、2万円以下で安心できるモデルがとんと姿を見せなくなりました。『10万円でゲーミングマシン』が現実的ではなくなっているんですよね。お子さま向けにマシンを組むという、家族連れの方がめっきり減ったのが気がかりです」と一抹の不安を明かしてくれた。

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