メモリ12GB版の新「GeForce RTX 3080」搭載カードが20万円超で登場:古田雄介のアキバPick UP!(1/4 ページ)
CUDAコアやメモリ回りを強化したGeForce RTX 3080搭載グラフィックスカードや、第12世代Core iシリーズと同世代のPentium GoldとCeleronが登場し、自作の選択肢がまた一段と広がった。
先週目立っていたのは、GDDR6Xメモリを12GB積んだ新しい「GeForce RTX 3080」搭載のグラフィックスカードだ。MSIから「GeForce RTX 3080 GAMING Z TRIO 12G LHR」が23万円弱、ASUS JAPANから「ROG STRIX RTX 3080-O12G-GAMING」が20万5000円前後で登場している。
実質、RTX 3080 SUPERなんじゃ――新RTX 3080搭載カードの評判
“12GB版”RTX 3080は、従来の“10GB版”からメモリバス幅を320bitから384bitへ、CUDAコア数を8704個から8960個へとスペックアップがなされている。それに伴い、リファレンスデザインのカード電力も320Wから350Wに上がっており、メモリと電力回りはRTX 3080 Ti搭載カードと同等の仕様となっている(CUDAコア数はRTX 3080 Tiが1万240個となる)。いわば強化版RTX 3080だ。
入荷したパソコンSHOPアークは「少し前の感覚でいえば、『RTX 3080 SUPER』とも名がつきそうな仕様ですよね。むしろRTX 3080 Tiに近い仕様で、ちょっとややこしいかなと。ラインアップが厚くなるのは良いですけどね」と話していた。
売れ行きに関しては「まだ様子見感が強い」との声が多い。あるショップは「値段がRTX 3080 Tiカードと同じかそれ以上なのは、ちょっときついですね。従来版のRTX 3080カードなら15万円台もあるわけで、置き換わるにしてももうちょっとコスパが上がらないと……」とこぼす。
従来版のRTX 3080カードの再入荷が滞っているというショップもあり、「実質的に、12GB版に置き換わっていくことも考えられます」(別のショップ)とのコメントも聞いた。
なお、12GB版といえば、年末から新版のRTX 2060カードが複数社から登場しているが、先週もASUS JAPANから「DUAL-RTX2060-O12G-EVO」が登場している。価格は7万5000円前後だ。
TSUKUMO eX.は「順調にラインアップが増えている感じですね。全体的にグラフィックスカードの価格帯が上がっている中で、これくらいのクラスの需要もありますから」と話していた。
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