落ち着かない価格、ヒットを続ける30万円のグラフィックスカード:アキバの2022年まとめ【前編】(2/4 ページ)
2022年のアキバまとめ前編は、グラフィックスカードの動向を中心に振り返る。1年を通して価格と供給量が不安定な中、秋にはGeForce RTX 4090搭載カード、年末にはRadeon RX 7900 XTX搭載カードが登場した。そして、いつの間にかハイエンド級の価格感も変わっていた。
Radeon――年末の「RX 7900 XTX」で一気に存在感が高まった
1月21日に3万円台で登場した「Radeon RX 6500 XT」搭載カードを皮切りに、Radeonシリーズも上半期に複数の新GPUを投入している。
4月にはRX 6000シリーズのローエンドとなる「Radeon RX 6400」を搭載したカードが2万6000円弱から2万9000円弱で各ショップに入荷し、GeForce GTX 1650カードの対抗馬として一定の存在感を放った。
翌5月には、シリーズハイエンドの「Radeon RX 6950 XT」と同時に、「Radeon RX 6750 XT」と「Radeon RX 6550 XT」も登場して、一気にラインアップを増やしている。搭載カードの初回価格は順に18万6000円弱〜22万4000円前後、9万6000円前後〜10万7000円弱、6万7000円前後〜7万5000円前後だった。
ただ、ハイエンドクラスに関しては「Radeon好きな方が買っていくという、まぁいつもの感じです」(某ショップ)との声が聞かれるように、GeForce一強の空気を打破するには至っていない。
その状況が大きく変わったのは、12月の中旬に差しかかった頃だ。12月16日に新世代のハイエンドGPU「Radeon RX 7900 XTX」と、「Radeon RX 7900 XT」を搭載するカードが一斉に売り出された。初回の価格は順に18万円〜19万円弱と15万6000円前後〜17万7000円前後となる。
上位のRX 7900 XTX搭載カードを中心に各ショップで初回から好調に売れており、年末の現在も品薄傾向が続いている。
TSUKUMO eX.が「今回はRadeon好きな人だけという感じはなく、ハイエンドクラスの現実的な選択肢として捉えている人が多い印象です」と語る通り、GeForceと比較検討して購入するユーザーが多い様子だ。前述の、ポッカリと空いた「10万円台で買えるハイエンド」のニーズにしっかりと応えている。
関連記事
- コロナ禍の影響と子供連れが減ったアキバ自作街の1年
2022年の自作街を振り返ると、ここ3年で最もコロナ禍の影響が薄まったといえる。自作PCのプラットホームは1年を通してIntelが主流を担ったが、AMDも随所で存在感を放って市場を盛り上げた。 - 2021年のアキバ自作街は「警戒」に終始した
コロナ禍による対面営業の難しさと、半導体不足による慢性的な供給の不安定さ。そして、熱狂的なマイニングブームによる特定パーツの払底。1年を通して警戒すべきことが多かった2021年のアキバ自作街を振り返りたい。 - 2021年のアキバ自作街は「品薄」に悩んだ
アキバの2021年を巡る後編では、IntelとAMDのプラットフォーム覇権争いを中心に振り返りたい。グラフィックスカードや大容量HDDと同じく、こちらでも人気モデルの品薄ぶりが終始悩みの種となっていた。 - 「Intel Arc A380」は「ストリートファイターV」をプレイするのに十分な性能なのか
Intelから実に22年ぶりとなるグラフィックスカード「Intel Arc」シリーズが発売された。そのエントリーモデルとなる「Intel Arc A380」を使ってストリートファイターVを満喫することはできるのだろうか。 - Intelがプロ向けGPU「Intel Arc Pro Aシリーズ」を発表 搭載製品は順次発売
Intelが、CADや映像業務に携わるプロフェッショナル向けのGPU「Intel Arc Pro Aシリーズ」を発表した。先行するコンシューマー向けの「Intel Arc Aシリーズ」と同様に自社製CPUとの連携機能を備え、GPUとしては初めてAV1のハードウェアエンコーディングにも対応している。 - 年末はGeForce RTX 3080&第12世代Coreが品薄気味
年内の大物パーツの登場ラッシュが終わり、年末年始モードに向かうアキバのPCパーツショップ。需要がありつつも、品薄傾向のパーツもある点は注意しておきたい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.