静電容量無接点方式ゲーミングキーボードに新たな選択肢――「REALFORCE GX1」を試す(2/4 ページ)
究極のキースイッチである静電容量無接点方式のゲーミングキーボードを東プレが発売した。REALFORCE GX1だ。前モデルからの進化点とユニークなDual-ACP機能、フローティングデザインを検証する。
REALFORCE GX1のユニークな特徴
静電容量無接点方式は、キーが押し下げられることによってリニアに変化する静電容量を読み取る仕組みだ。「どこまで押し下げられたらオンとするか、どこまで戻ったらオフとするか」という、しきい値を設けてキー入力を検出する。
このしきい値となる地点のことをアクチュエーションポイントと呼び、REALFORCEではそれを1キーにつき4段階に設定できるAPC(アクチュエーションポイントチェンジャー)機能を搭載している。
REALFORCE GX1の「Dual-APC機能」はその進化版で、それまでの4段階で設定するノーマルモードに加え、押し下げられた位置によってアクチュエーションポイントを動的に変化させるダイナミックモードをサポートした。
ノーマルモードではキーが元の位置から何mm押し下げられたらオン、戻ったらオフとする、という絶対的なしきい値で検知を行うのに対し、ダイナミックモードでは既定のアクチュエーションポイントを超え、実際に押し下げられた位置に一番近いポイントが一時的な新アクチュエーションポイントとして設定される。
例えば、APCが1.5mmに設定されていた場合でも、キーを1.5mm以上、ユーザーによってキーが3.0mm以上まで押し下げるということがある。例えば、3.2mm押し下げられたとしよう。そのとき、ノーマルモードであればキーを1.5mmまで戻さなければオフにならない。3.2mmから1.5mmまでの移動距離は1.7mmだ。オフ状態からオンにする(ユーザーが押し下げる)のであれば自分好みの速度で切り替えられるが、戻る速度をユーザーがコントロールすることはできない。それはカップラバーの復元速度と等しいからだ。
これがダイナミックモードであれば、3.2mm押し下げられたときのアクチュエーションポイントは3.0mmへと変化する。そのため、移動距離がわずか0.2mmでオフとなるのだ。さらにキーを完全に戻さずに再度キーを押し込んでも、アクチュエーションポイントは維持されたままとなり、再キーオンまでの時間を短縮できる。
キーが完全に戻ると既定のアクチュエーションポイントに復帰するため、ダイナミックモードは通常のキー入力にはほとんど影響がない。同じキーを連打する場合や、押しっぱなしからキーオフする場合にのみフィーリングが変化するのだ。
どちらのモードが使いやすいかはプレイするゲームや設定するキー、ユーザーによって変わってくるが、そもそもAPCのダイナミックモードは今まで人類が体験したことのない動作だ。違和感があるのは当然で、むしろその感覚を補正した上で、極限まで自身をチューニングするために利用すべき機能かもしれない。
ユーザーマニュアルより。ダイナミックモードだと深い位置まで押し下げられた場合には自動的にアクチュエーションポイントが下がる。また、キーが戻るにつれてキーオンになるアクチュエーションポイントは上に上がっていく
REALFORCE GX1のゲーミングキーボードらしい特徴の1つがLEDバックライトだ。各キー下に約1677万色を表現できるLEDバックライトが搭載され、キートップの文字部分が発光色に変化する。これは黒いパーツと透けやすいパーツで構成した2色成形キートップによるもの。前モデルのREALFORCE RGBにも採用されている機構ではあるが、さらにREALFORCE初となる機構も備えている。それがフローティングデザインだ。
フローティングデザインは、天板上にキースイッチのある構造なので、LEDの位置が高く、キーの間から光が漏れ出てその美しさを引き立てる。高い位置に配されているLEDは、キートップ上部の文字をより見やすくするとともに、ユーザーの目に直接光が入らないというメリットもある。輝度は3段階で設定可能。好みやシチュエーションに合せて調整することができる。
現行のREALFORCEシリーズでは、R3Sの一部に標準スイッチを採用しているものもあるが、静音スイッチはスタンダードになりつつある。GX1に至っては、全モデルで静音スイッチを採用している。
タイプ音が深夜のプレイやボイスチャット、実況時のノイズとなってしまう可能性を考えると、これは歓迎すべき変更といえるのではないだろうか。別売のキースペーサーを装着すればさらに静音性は高くなる。
続いて、ユーティリティー「Rearforce Connect」をチェックする。
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