雷シーズンも怖くない PCやNASの家庭向け停電対策に「ポータブル電源」の“パススルー充電機能”を活用する:“ポータブル電源”活用でお手軽UPSを実現(第1回)(1/2 ページ)
夏の停電対策として、ポータブル電源のパススルー充電機能を使った方法を全2回で解説する。
梅雨がすっかり明けて夏空が広がるようになってきた今日この頃、それと同時に頭を悩まされるのがゲリラ豪雨や落雷に伴う停電だ。
自宅が停電してしまうと、家電はもちろん、PCやNASといった電子機器の電源も切れてしまう。在宅勤務が増えた今、影響を受ける人は少なくないはずだ。また、急な電源切れはPCやNASにとって大きく2つの影響を及ぼすことが考えられる。
今回はそのようなリスクを回避するために、導入のハードルが低いポータブル電源を活用した停電対策を解説する。
停電対策の必要性
停電による急な電気の遮断は、主に2つの観点でPCにまつわる悪影響を及ぼすことがある。1つはPCで作業中のデータが保存できず消失してしまう事と、もう1つは急な電源断に伴う機器の故障だ。それぞれの観点について少し詳しく掘り下げてみよう。
大事なデータは常日頃からバックアップを心掛ければ、データが完全に消失するという事態は避けられそうだ。しかし、バックアップ先が自宅内の家庭用NASで電源供給元が同じでは、結局停電に巻き込まれてしまう。
データのバックアップもリアルタイムで常時保存することはあまり現実的ではなく、せっかく時間をかけて作成したデータが消失してしまうと「仕事の納期に間に合わない」「課題の提出に間に合わない」といった損失を被ることになる。何より、もう一度同じ作業をしなければいけなくなるため、精神的にもつらいだろう。
データの消失だけであれば、また同じ時間をかければ復旧できるが、急な電源断によってPCのシステム領域が破損し、リカバリーしないといけなくなったり、PC本体が故障して修理が必要となってしまったりすると、データの消失以上に復旧までに多くの時間やお金がかかってしまう。
とはいえ、雷の音が聞こえ始めたら作業を中断してPCやNASの電源を落とすというのは現実的ではないし、そもそも急速に発達した積乱雲による雷を予測することも難しい。
PCやNASの停電対応と言えば企業だけの物というイメージがあるが、自宅内やSOHOとしてPCを使った作業をしているのであれば、規模の大小にかかわらず停電対策はしておきたいところだ。
関連記事
- 意外と重要なパソコンやサーバの「停電」対策――UPSの基礎知識をチェック
PCやサーバ/NASにおいて「データのバックアップ」の重要性が説かれる一方、「電源のバックアップ」については若干見過ごされがちである。万が一の停電に備えて「UPS(無停電電源装置)」の導入をお勧めしたい……のだが、その前に、UPSの役割や、導入に当たって気を付けたいポイントを解説しようと思う。 - 「価格」と「機能」のバランスはどう取る?――UPSの“仕組み”を理解する
PCやサーバ/NASを不意の停電から守ってくれる「UPS(無停電電源装置)」だが、大きく分けると3つの方式があり、それぞれに長短がある。より適切なUPSを選ぶために、その“長短”をしっかりと学ぼう。 - 自分の環境にピッタリなUPSを選ぶ――重要なのは「供給電力」と「運転時間」 お勧めモデルも確認しよう!
PCやサーバ/NASを不意の停電から守ってくれる「UPS(無停電電源装置)」。過去2回の記事では、UPSを選ぶ上で必要な知識を解説してきたが、今回はその“まとめ”として、SOHO環境を想定して具体的にUPSを選んでいく。 - リタンダント型ATXタイプも登場! 電源ユニットの最新トレンド
定格700Wの電源モジュールを左右に配置できるATXサイズのリタンダント電源ユニット「Twins PRO 700W」が、FSPから売り出されて注目を集めている。その他、MSIからNVMe PCIe 4.0 SSD、ASUS JAPANからテンキー着脱式のキーボードが登場して注目を集めた。 - デル、SOHO利用などにも適した同社製PC用の無停電電源装置を発表
デル・テクノロジーズは、同社製ビジネス向けPC/ワークステーション専用をうたった無停電電源装置(UPS)「Dell EMC DK800M-JP」の販売を開始した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.