パソコンの修理は「訪問修理」の時代に!? 実際に試してみた結果(3/3 ページ)
私事だが、手持ちの「ThinkPad X13 Gen 3」の調子が悪くなった。調子が悪くなる前に、保守サービスとして「オンサイト(訪問)修理」を追加したことを思い出し、早速修理を依頼することになった。PCの訪問修理を初めて受ける筆者は、果たしてどんな体験をすることになるのか……?
訪問修理当日に……
訪問修理当日となった。午前10時にアポイントを取ったのだが、その10分前に「到着した」との連絡があったため、早速作業してもらうことにした。
作業を担当する技術者に改めて症状を伝えて、実際に確認してもらうと「では、システム(マザー)ボードの交換を行います」とのことで、早速準備が始まった。
ThinkPad X13 Gen 3では、キーボードとSSDは「CRU(顧客による交換可能部品)」という扱いになっているが、さすがにマザーボードの交換となるとユーザーは対応できない。引き取り修理か訪問修理によって交換してもらうしかない。
技術者は“技術”者だけあって、スイスイと作業を進めていく。作業開始から15分程度で問題を抱えていると思われるマザーボードが取り外された。
古いマザーボードを取り外したら、新しいマザーボードの装着だ。取り外しと比べると、細かいコネクター類の装着がちょっと大変そうだが、ピンセットを使わなくても取り付けられるだけマシらしい。
作業開始から30〜35分程度で、マザーボードの装着は完了した。その後、CPUファンやバッテリーを取り付けていくことになる。
全て組み上がったら、それで終わりというわけでない。取り付け後、製造番号の再設定やシステムチェックが行われる。
システムチェック後、OSが正常に起動すれば完了……なのだが、ここで注意点が2つある。まず、SSDに「BitLocker」を始めとする暗号化を設定している場合、マザーボードごとTPMチップが交換されるため、いったん暗号化を解除しておく必要がある。BitLockerの場合、「回復キー」を事前に取っておけば、起動時に入力するという手もあるのだが、結構間違いやすいので、交換前に暗号化を解除して、交換後に再暗号化した方が確実だろう。
もう1つ、Windows 10/11でMicrosoftアカウントを使っている場合、マザーボードの交換に伴い再認証とPINのリセットが必要となる。アカウントの認証方法によっては、2段階認証で使っているデバイスも手元に用意しておく必要がある。
マザーボードの交換後、無事に起動したX13 Gen 3。なお、交換後のマザーボードのUEFIは最新であるとは限らず、Windowsの起動時にUEFIの更新が自動で行われる場合もある(写真は手動でさらに新しいバージョンに引き上げている時の様子)
交換作業が完了したら、作業報告書にサインをすると訪問修理は完了である。ここまでの所要時間は1時間10分ほどで、思ったよりも“あっという間”だった。
訪問修理サービスは本当に便利!
今回、初めて訪問修理サービスを使った訳だが、故障状況にもよるもののダウンタイムがほぼゼロになることは、本当に助かる。
レノボの場合、CRU指定されている部品なら「部品を送って下さい」と依頼すればこちらで換装も行える。引き取り修理が必要な場合でも、昔と比べれば短期間で済むようになり、よほどのことがなければ引き取りからちょうど1週間もあれば戻ってくる。
「ちょうど1週間」は確かに早い。早いのだが、1時間10分にはかなわない。この迅速さを一度でも体感すると“やみつき”になりそうである。今後ThinkPadを買うことがあったら、オンサイト修理サービスを必ず付けることになりそうだ。
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