検索
レビュー

「GPD G1」はドッキングステーションとしても使える外付けGPUボックスだ! Thunderbolt 4(USB4)対応モバイルPCでゲームや写真/動画編集は快適になる?(2/4 ページ)

中国GPDが販売している「GPD G1」は、Radeon RX 7600M XTを内蔵するコンパクトな「GPUボックス」だ。モバイルノートPCにつなぐと、グラフィックスの性能や写真/動画の編集速度が上がるらしいのだが、果たしてどのくらいの効果があるものか、試してみよう。【訂正】

Share
Tweet
LINE
Hatena
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

GPD G1でモバイルノートPCをつないでみよう!

 GPD G1を利用するには、USB4端子またはOCuLink端子を備えるPCが必要だ。USB4端子で接続する場合は、当該端子がPCI Expressの信号伝送に対応していなければならない。

 「USB4(Version 1.0)の全機能への対応」が必須であるThunderbolt 4規格の端子は、PCI Expressの信号伝送に対応している。そのため、理論上はGPD G1を問題なくつなげる。USB4規格のベースとなったThunderbolt 3規格の端子も同様だ。

 問題は、単なる「USB4端子」を備えるPCである。実は、USB4において「PCI Expressバスの信号伝送」はオプションとなっている(参考記事)。GPD G1を含むGPUボックスをThunderbolt 4“ではない”USB4端子を備えるPCで使う場合は、事前にUSB4端子がPCI Expresss信号の伝送に対応しているのかどうかを確認したい。

USB4
USB4(Version 1.0)ではPCI Express信号の伝送がオプション扱いとなっており、速度も少なくとも「USB 20Gbps」に対応すればよいことになっている。GPUボックスではPCI Express信号の伝送が欠かせない。単に「USB4端子」となっているPCでは、その端子の仕様をキッチリと確認しておく必要がある

 今回、筆者はThunderbolt 4端子を備える以下のノートPCでGPD G1を正常に使えることを確認した。

 なお、Thunderbolt 3/4対応のノートPCでも、設計の都合でうまく動作しないことも考えられる。また、接続管理を「Intel Thunderboltコントロールセンター」アプリで行うPCの場合、設定によってはつないだ後に「接続(マウント)」処理をしないと認識しない場合もある。詳細は、お使いのPCの取扱説明書やサポートサイトで確認してほしい。

今回確認した2台
GPD G1の動作確認に使った「LIFEBOOK UH90/F3」(左)と「ThinkPad X13 Gen 3(Intel)」(右)は、いずれもThunderbolt 4端子を備えており、GPD G1は正常に動作した

 USB PD対応のUSB4端子を備えるノートPCで、GPD G1を使い始める手順は以下の通りだ。

  1. GPD G1に電源コードをつなぐ
  2. USB4ケーブルでGPD G1とノートPCをつなぐ
  3. GPD G1の電源ボタンを押す(ノートPCに給電され始める)
  4. デバイスドライバーをインストールする(必要に応じてノートPCを再起動する)
  5. GPD G1のGPU(Radeon RX 7600M XT)が認識されているかどうかを確認

 GPUのデバイスドライバーは、AMDが配信している純正のものを利用する。セットアップをする前にダウンロードしておくと作業がスムーズに進む。

 また、GPDはWebサイトを通してGPD G1の最新ファームウェア(ビデオBIOS)を配信している。既に発売時よりも新しいファームウェアが用意されているのだが、「80W」「100W」「120W」の3種類があって若干分かりづらい。

 これはGPUのTDP(熱設計電力)を表しており、80Wは「静音(性能を抑制する)」、100Wは「標準(出荷時の性能)」、120Wは「パフォーマンス優先(ファンが回りやすくなる)」のファームウェアとなる。

 一応、日本語による適用ガイド(マニュアル)も用意されているのだが、Windowsのバッチファイルに関する知識が少し必要となる。今後、GPDにはより分かりやすいアプリ(プログラム)を用意してほしいと思う。

デバイスマネージャー
上記の手順で正しくセットアップできると、デバイスマネージャー上に「AMD Radeon RX 7600M XT」が出現する

 USB4接続の場合、GPD G1はホットプラグに対応する。本機のGPU(Radeon RX 7600M XT)にアクセスしているアプリがない場合、いきなり外しても怒られることはないが、念のためにタスクバーの「デバイスの安全な取り外し」アイコンからRadeon RX 7600M XTを選択してから取り外すようにしたい。

 ちなみに、本機のUSB PD規格の電源供給は本機の電源をオフにすると行われない。接続先のノートPCへの給電を継続したい場合は、本機の電源を入れ続ける必要がある。

取り外し
USB4接続の場合、本機はホットプラグに対応する。取り外す場合はタスクバーの「安全なデバイス取り外し」アイコンをクリックし、メニューが出たら「Radeon RX 7600M XT」を選んでメッセージの指示に従って取り外そう
PD
USB PD対応のPCであれば、本機は60W出力の電源としても認識される。ただし、本機の電源を切ると電源供給が途絶えるので注意したい

 次のページでは、いよいよGPD G1の“実力”をチェックしていく。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る