「IdeaPad S10e」から15年――レノボ・ジャパンのコンシューマーPCの歩みを振り返る(2/3 ページ)
レノボ・ジャパンが日本のコンシューマーPC市場に本格参入してから15年を迎えた。同社がその歩みを振り返るイベントを開催したので、実機の写真を交えつつ昔を振り返ってみようと思う。
画面が360度回転する「Yoga」のルーツ
現在、レノボのYogaブランドはコンシューマー向けのプレミアムPC向けのブランドとして認知されている。しかし元々はコンバーティブルタイプの2in1ノートPC向けのサブブランドとして立ち上がった。
そんなYogaの初号機は、2012年10月に発売された「IdeaPad Yoga 13」となる。当時は、IdeaPadのサブブランド(あるいはThinkPadのサブモデル名)だったのだ。
その後、そのコンパクトモデルとして11.6型の「IdeaPad Yoga 11S」も登場している。
“キーボードレス”の2in1 PCなんてものも
Yogaブランドといえば、基部にも有機ELディスプレイを備える「Yoga Book 9i Gen 8」が記憶に新しい。日本では第13世代Coreプロセッサを搭載するモデルが登場したが、グローバルではCore Ultraプロセッサを搭載する「Gen 9」も発表されている。
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両モデルを見た際に、ある2台のノートPCを思い出した人がいるかもしれない。
1台目は、2016年9月に発売された初代の「Yoga Book」だ。本モデルはAndroid OSをプリインストールする構成と、Windows 10をプリインストールする構成(with Windows)が用意されていたが、いずれも物理的なキーボードを搭載せず、タッチセンサーによるキーボードを備えたことが衝撃的だった。
先に紹介したIdeaPad S10eと同様に、両モデルはレノボの想定以上にヒットし、一時的に品薄になったという。一方で「基部がタッチキーボードやペン入力にしか使えないのがもったいない」「(特にwith Windowsでは)パフォーマンスが足りない」という意見も少なからずあったとのことだ。
Yoga Bookは、基部のキーボードをタッチセンサーとすることで、超薄型化を実現した。タッチキーボードは、切り替え操作をすることでペン入力にも対応できる(写真はWindows 10をプリインストールした「with Windows」)
これらの指摘を受けて、2018年10月登場したのが「Yoga Book C930」だ。このモデルでは基部のタッチキーボードを電子ペーパー(E Ink)に置き換えた。これにより、キーボードの配列変更、画像の表示やお絵描き/メモ取りに対応した。CPUもCore m3-7Y30またはCore i5-7Y5となり、処理パフォーマンスも向上した。
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本モデルは使い勝手が大きく向上……したのだが、先代と比べると販売価格が高くなってしまったせいか、商業的には大成功と行かなかったようだ。
コンシューマーモデルは、デスクトップPCやピュアタブレットにも広がっていく。
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