IntelがAI時代を見据えた半導体の「受託生産」ロードマップを発表 2030年までに世界第2位を目指す
Intelが、半導体の受託生産(ファウンドリー)サービスに関するイベントを開催した。その中で、
Intelは2月21日(米国太平洋時間)、半導体の受託生産サービスに関するイベント「Intel Foundry Direct Connect 2024」を開催した。イベントでは、同社の受託生産サービス「Intel Foundry Services(IFS)」のロードマップが公表された。
「5年で4ノード(5Y4N)」計画は順調に推移 IFSでも利用可能に
2021年2月にパット・ゲルシンガーCEOが半導体の受託生産(ファウンドリー)に参入する方針を示して以来、Intelは受託生産を専門に扱う部署としてIFSを立ち上げたり、半導体の設計を担う企業との協業を進めてきた。
同社は2021年からの5年間でプロセスノードを4つ進める「5Y4N」という計画を掲げているが、おおむね計画通りに進ちょくしているという。
技術的に難しいとされていた裏面電源供給技術「PowerVia」を適用した半導体の製造についても、2023年段階で実証が完了している。
今回発表された新しいロードマップによると、2024年内に生産が始まる予定の「Intel 20A」と、その改良版で2025年内に生産を開始する予定の「Intel 18A」の両プロセスには、計画通りPowerViaが適用されるようだ。
Intel 20Aは、PowerViaと、新しい電源供給トランジスタ「RibbonFET」を組み合わせることを前提としていたが、トランジスタとして従来通りの「FinFET」を搭載するバージョンも用意されている(参考記事)
これらのプロセスはIFSでも利用できる。今回のイベントでは、MicrosoftがIntel 18Aプロセスを適用する半導体を設計することが明らかにされた。
Intel Foundry Direct Connect 2024の基調講演では、Microsoftのサティア・ナデラCEOがビデオメッセージを寄せて、同社がIntel 18Aのプロセスノードを活用し、IFSで同社ブランドの半導体製品を製造する計画があると語った
5Y4N計画の“その先”へ
今回のイベントでは、Intel 18Aから“先”、2027年までのプロセスノードのロードマップ(計画)も明らかとなった。
既存プロセスの改良
まず、既存のプロセスノードの改良版として「Intel 18A-P」「Intel 3-E」「Intel 3-PT」が投入される。
「P(Performance)」のサフィックスの通り、Intel 18A-PはIntel 18Aをベースに、消費電力当たりのパフォーマンス(いわゆる「ワッパ」)を改善したものになるという。Intel 3-Eは、「Intel 3」をベースに機能拡張(E=Extension)を施したもので、Intel 3-PTはIntel 3に3D積層技術(Foveros)を適用した「Intel 3-T」に、パフォーマンスの改善を施したものになるという。
新規プロセス
新規プロセスとしては、「Intel 14A」と、その機能拡張版である「Intel 14A-E」が計画されている。Intel 14Aでは、ウエハーに回路を刻み込む「EUV(極端紫外線露光)リソグラフィー」の解像度を高めることで(High-NA EUV)、より微細な半導体を作れるようになるという。
2030年までに「世界第2位」を目指す
Intelは今回、2027年までの半導体製造のロードマップを示した。それはいずれも、IFSでも利活用できるものだ。パット・ゲルシンガーCEOは、2030年までにIntelを世界第2位のファウンドリーにする計画も打ち立てた。Microsoftだけでなく、QualcommやArmなどとの協業を通して、同社はファウンドリーとしての足場を着実に固めている。
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