ワコムが有機ELと出会ったら……極薄で最軽量液タブ「Movink 13」をプロ絵師が試したぞ!:ある日のペン・ボード・ガジェット(2/5 ページ)
ついに、ワコムから有機EL採用のタブレットが発売されました。めちゃ薄くて500mlのペットボトルよりも軽い新モデル「Movink 13」をイラストレーターのrefeiaさんが試しました。
現実的になったケーブル1本接続
本機の接続はUSB Type-Cポートが左右に1基ずつ。基本的にUSB Type-Cケーブル1本で接続でき、その1本では電力が不足する場合に、市販のACアダプターなどを残ったポートに刺します。自分のノートPCは2019年発売でまあまあ古いモデルですが、普通にUSBケーブル1本だけで動きました。
従来のCintiq Proも、ケーブル1本接続を訴求したモデルはあったものの時代が追い付いていない感があり、簡単じゃない中で何とかしようとごちゃごちゃやっていた記憶があります。時代は進んだなあとしみじみ感じてしまいますね。
ただし本機にはUSB Type-Cポートしかないため、デスクトップPCなどでHDMIとDisplayPortからしか映像出力ができない場合は、これほど簡単ではないです。HDMIとUSB Type-A端子から本機に接続できるアダプターを年内に発売予定とのことなので、しばらく待ってみるとよいでしょう。
ちなみに手元では、「Wacom Link Plus」(Cintiq Pro 13/16用のアダプター)でも動作していましたが、公式にサポートしているわけではありません。
美しい有機ELディスプレイ
それでは、本機の目玉になる有機ELのディスプレイを見ていきましょう。13.3型/アンチグレア(非光沢)/フルHDの有機ELです。色域はDCI-P3とAdobe RGBをおおむねカバーしつつ、DCI-P3を優先しています。
もちろん、sRGBやAdobe RGB、DCI-P3、Display P3などのモードもあり、印刷物や映像制作にも適応しやすいです。また、画面に光が当たりづらい環境で使えば黒の締まりもよく、有機ELらしい恩恵もあります。
アンチグレア処理は薄めで、シャープさを損ねない程度に調整されています。とはいえ、周囲の光をふんわりと反射するマット面は、特に上向きで使う機材では有機ELのコントラスト比の恩恵を受けづらくなります。持ち運んで使う用途では理想的な照明は得づらいですが、せっかくの「得ておきたい恩恵」があるので、自室を間接照明にするなど、使いこなしの楽しみを広げてみても良いでしょう。
また、本機は視差がこれまでで最も小さいことと、有機ELのおかげでパネルに強い筆圧をかけると表示がグニュッと乱れる問題が無いこともアピールされています。これらは個人的にはCintiq Proの時点で不満がなかったためビッグディールではないですが、エントリー機や古いモデルから買い替えれば向上を実感できるはずです。
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