ワコムペン付属の「ASUS ProArt Display PA169CDV」は高級モバイルディスプレイの王道を行くのか? プロ絵師が試す:ある日のペン・ボード・ガジェット(3/5 ページ)
ASUS JAPANから、ワコムペン付属の高級モバイルディスプレイ「ASUS ProArt Display PA169CDV」が発売されました。その実力の程をイラストレーターのrefeiaさんがチェックしました!
意外と悩ましい接続方式
接続はUSB Type-CかHDMI経由ですが、USB Type-Cケーブル1本だけで接続した場合には最大輝度が180ニトに制限され、付属のUSB Power Delivery(PD)アダプターで電源を入力すれば高輝度まで利用できます。HDMIケーブルを使う場合は、ペンとタッチの通信のために、USB接続と付属のACアダプターで合計3本の接続になります。
いずれの場合も、倒した設置ではケーブルが手前側から左に出てくるのが邪魔です。ダイヤルを使うときは手首でケーブルを圧迫しないように気を付ける必要がありますし、右利きの人はキーボードや左手デバイスの設置で苦労すると思います。
真面目なディスプレイを搭載
ディスプレイも見ていきましょう。本機もシリアルナンバー付きのキャリブレーション報告書が添付されています。
仕様表に書かれている色空間としては「sRGB 100%」ですが、工場出荷状態の「Standard」モードを手元で計測してみると、DCI-P3やDisplay P3よりもAdobe RGBを優先した広色域ディスプレイのようでした。
また、配布されているドライバを導入すればカラープロファイルがセットされます。測色機などを持っていなくても、色の一致について比較的安心してStandardモードを利用できると思います。
もちろんカラーシミュレーションモードもありますが、sRGBモードは規定を真面目に守って作られているせいか、輝度がかなり暗い値に固定されてしまい、薄暗い環境でないと実用は困難です。
輝度設定がグレーアウトしています。「Rec. 709モードにしてガンマ値をアレして……」みたいなことをすれば、輝度が変更できる「よくあるsRGBモード」のような表示にはできるはずなので、興味のある人はチェックしてみてください
高輝度に対応しているのは、モバイルディスプレイとして色再現にこだわりたい中ではうれしい仕様です。表示を正確に見たいなら画面に外光を当てないのが一番ですが、モバイル用途ではいつも理想的な環境になるとは限らず、浅い角度に設置する用途ではなおさらです。液タブだと200〜300ニトぐらいが多かったと思いますが、本機は別途電源をつなぐ必要があるとはいえ仕様としては最大450ニト、手元の計測では500ニト以上の明るさが出ていました。
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