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スペックだけではない、実機で感じるPFU「Scan Snap iX2500」の“本当の実力”(1/3 ページ)

PFUのドキュメントスキャナー新モデル「ScanSnap iX2500」は、個人事業主にも頼れる1台だ。従来モデルから乗り換えたユーザーのレポートをお届けする。

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 6年半も使い続けたPFUのドキュメントスキャナー「ScanSnap iX1500」に、特に不満はなかった。世代を重ねたPFUのスキャナーは、どのモデルを使っても基本的に完成度が高い。

 改良版である「iX1600」をスキップした筆者だが、最新モデルのiX2500を使ってみて気付いたのは、自分がさまざまな「待ち時間」と「制約を回避する手順」に慣らされていたということだ。

 起動時間/転送時間/給紙時間だけでなく設定のコツ、用紙ハンドリングのコツといったこまごまとしたことが無数にある。

 これらの小さな使いこなしは無意識だから、大きな不満ではなかった。しかし、初めて使うなら話は別だろう。待機時間や細かな失敗が積み重なって、「スキャンは面倒」という無意識の印象を作るかもしれない。

 しかし、iX2500を使い始めてみると、全ては自分自身の使いこなし、といえば聞こえはいいが、要は慣れていただけだったことになる。

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PFUの新型ドキュメントスキャナー「ScanSnap iX2500」。ボディーカラーはホワイトとブラックがあり、いずれも直販価格は5万9400円だ

「3秒の差」が変えるルーティン

 iX2500のスペック表を見ると、USB接続で利用する場合の起動時間は約2.9秒だ。iX1500の約6秒から半分以下になった。たった3秒ちょっとの差だが、感覚的には全く違う。

 いずれも給紙カバーと電源が連動しているが、手がタッチパネルに届く頃にはもう使える。この「開けたら使える」感覚は、使い始めるまでの精神的なハードルを大きく下げる。

 個人ユーザーの場合、この違いは普段のルーティンを変えてくれる。帰宅したら、すぐにレシートや領収書をスキャンする。受け取った資料もその場でスキャン。iX1500では「後でまとめて」となりがちだった作業が、「今すぐ」に変わる。

 無線LANのWi-Fi 5からWi-Fi 6への進化も、数字以上の価値がある。実測で10枚の両面PDF(約25MB)の転送が15秒から7秒に短縮した。当然だが、枚数が増えればこの時間は長くなる。

導入場所のWi-Fi規格次第だが、いずれ置き変わると考えれば無視できない。

 加えて、5型に大型化したタッチパネルが静電容量式に変わり、操作フィールが大きく上がった点も、使い始めるまでのハードルを下げる要因だ。

 物理スキャンボタンの復活も歓迎したい。操作ミスは確実に減る。

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操作性が大きく向上し、視認性も増した5型のタッチディスプレイを備える

100枚トレイと毎分45枚の相乗効果

 読み取り速度の向上と給紙容量の倍増も、単純な数値以上の意味を持つ。

 iX1500では毎分30枚で最大50枚、iX1600では毎分40枚で同じく50枚だったのに対し、iX2500は毎分45枚で100枚を一度に処理できる。

 正直にいうなら、個人レベルでここまでの速度が必要なことは多くはない。早いことは正義だが、個人的にそのスループット向上で買い換えることはないだろう。しかし、同時にセットできる枚数の倍増は大きい。

 50枚を超える書類はそれなりにある。このセットを2回に分けるかどうかは、使いやすさに大きな違いをもたらす。この改良がなければ、毎分45枚の速度アップもあまり効果を発揮しなかっただろう。

 また、細かな違いだがレシートや名刺用のガイドトレイが改良され、脱着が容易になっている。ガイドレールの設計そのものも細かな調整で使いやすくなっていることも報告しておきたい。

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着脱可能な「名刺・レシートガイド」が付属する。写真は装着したところ

トラブルを未然に防ぐ傾き検知機能

 これまでも超音波センサーで重送、すなわち書類の重なりを検知する機能はあった。

iX2500はこのセンサーに加え、原稿の斜行を検出する機能が追加された。この機能はスキャン後に、斜めの映像を補正するものではない。斜めに書類が入った瞬間に検知し、紙送りが停止される。

 よくあるのがロール紙に印刷されたレシートのトラブルだ。クシャクシャになったり、最悪はレシートが破れたりすることもある。

 何度かレシートを斜めに差し込んでテストしたところ、ローラーに巻き込まれる前に「原稿の傾きを検知しました」と停止した。高速化に伴い、給紙トラブルは破れなど原稿のダメージに繋がりやすいが、この配慮のおかげで安心して利用できる。

 古く消えかけている薄い感熱紙や古い写真など、大切な原稿を扱う際には特に安心だ。さまざまな紙質の書類を分類せずに一緒にスキャンすることも、気を使わずにできる。

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安定した給紙が行えるように傾き検知もサポートした

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