エージェントAI時代のWindowsはどうなる? Microsoftの苦悩:Windowsフロントライン(2/2 ページ)
AI時代に向けてWindowsはどうなるのだろうか。Microsoftの動向を追った。
「Agentic OS」とは何か
そして冒頭のAgentic OSの話題に戻るが、Microsoftが志向するWindowsの将来像とはどのようなものだろうか。
The Vergeでトム・ウォーレン氏が「Microsoft is turning Windows into an ‘agentic OS,’ starting with the taskbar」のタイトルで、MicrosoftのWindowsエクスペリエンス担当コーポレートバイスプレジデントのナヴジョット・ヴィルク(Navjot Virk)氏へのインタビューを交えてまとめているので紹介したい。
記事中ではいくつかキーワードがちりばめられているが、「WindowsをAIのためのキャンバスとし、AIの非常に強力なパワーを全てのユーザーが活用できるようにすること」とある。
先ほどの項にも挙げたが、AIエージェントは今後ユーザーの手足として自律動作するための礎となる。従来の仕組みでは、Windows上で動作するアプリケーションをユーザーが操作し、自身が思い描く作業をこなしてきた。今後はOS自身がユーザーに代わってこうした作業を自律的にこなすようになり、それを実現するのが未来のWindowsであり、Agentic OSだというのがMicrosoftの考えだ。
ChatGPTに代表されるチャットボットのようなインタフェースは、ユーザーの操作を待つことで成り立っていたが、Agentic OSの時代のAIエージェントは自らが判断し、これまでユーザーがこなしていた複雑な作業を完了させることが可能になる。
手始めとなるのがタスクバーへのAIエージェントの配置で、AIエージェントはアイコンとして表示されるようになる。バックグラウンドでの作業状況はアイコンにカーソルを重ねることで逐次確認でき、そのタスク割り当ても検索ボックスや特定のショートカットを介してAIエージェントを呼び出すことで可能になる。
Microsoftは5月の「Build 2025」のカンファレンスで、WindowsでのMCP(Model Context Protocol)のネイティブ対応を発表したが、これによりCopilotのみならず、サードパーティーの提供するサービスやデータに安全に接続する仕組みが提供される。
「AIエージェントがMCPを介して将来の(OS上で動作する)アプリになる」という話はたびたび聞かれるが、その形ができつつあるといえる。なお、この「MCP on Windows」のパブリックプレビューは11月のIgnite 2025で正式公開されている。
このAgentic OSに対する取り組みやMCPを介したWindowsでのAIエージェント拡張に関する話題は、Igniteの「Innovation Session: Windows & Microsoft 365 Copilot: Secure AI & agent productivity」というセッションで詳しく解説されている。
興味ある人はぜひご覧いただきたい。動画を見る時間がないというのであれば、ChatGPTやGeminiといったAIツールに当該のURLを投げるとすぐに内容を要約してくれるので、情報収集に活用いただければ幸いだ。
Ignite 2025で開催された「Innovation Session: Windows & Microsoft 365 Copilot: Secure AI & agent productivity」
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