ニュース
神棚職人が本気で作った「推し壇」はなぜ受け入れられた? はせがわに聞く“宗教×推し活”の親和性:古田雄介のデステック探訪(3/3 ページ)
仏壇や神棚の販売で一世紀の歴史があるはせがわは、推しグッズを祭るための飾り棚「推し壇(おしだん)」も手がけている。一見ギョッとする取り組みだが、2023年10月の発売から安定した支持を得ているという。これもまたデステックだ。
“宗教離れ”だからこそ可能な宗教利用
推し壇は宗教離れが進む現代だからこそ許容された側面があるが、それでいて伝統宗教のエッセンスはふんだんに利用している。というより、推し活と宗教心をマリアージュさせた商品といえる。
仏壇と推し壇。何が違って、何が共通しているのか。
「共通点といえるのは、自分にとって大切な存在に手を合わせたい、生きる支えになってもらいたいという感情ではないかと思います。違いは大きく3つ。最大の違いは現実の死を伴うか否かです。次に装飾の自由度ですね。最近ではLEDライトを内蔵したお仏壇もありますが、照明の色は白色が一般的です。対して推し壇はカラフルな照明の色や点灯方法などをかなり自由に演出できます。最後は購入層です。弊社にとってもこれまで当社をご利用いただいたことがないお客さまが多く、これまでと違った接点をもつことができました」
推し壇の今後の展開は、3つ目に挙げられた「これまでと違った接点」が鍵になるという。
何しろ、企画を立ち上げた社員はもういない。推し活への理解は社内に広がっているものの、推しの市場で求められるものを作り出すのはまた別の話だ。まだ日の目を見ていない推しの形を同社に投げたら、面白い解答がリリースされるかもしれない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
AI故人との対話は「1年」まで?――開発者があえて「卒業」を推奨する理由
双方向のやりとりが可能なタイプから単方向タイプ、さらにはペット用まで、さまざまなAI故人を提供するニュウジアは、AI故人を提供する1つの目安に1年間という区切りを想定している。その背景には何があるのだろう。
SNSの死後削除ニーズは5割! コロナ禍で変化した「おひとりさま信託」の実態
三井住友信託銀行が2019年12月から提供している、死後事務委任契約と金銭信託をセットにした「おひとりさま信託」。提供開始からコロナ禍を経て6年以上が経過するなか、契約者の高齢化や夫婦での申し込み増加など、利用者のニーズには変化が見られるという。担当者に詳しく話を聞いた。
デジタル資産継承サービス「アカレコ」が指し示す半世紀先を見据えた終活という課題
2023年8月に登場したばかりの「akareco」(アカレコ)は、「40代からはじめる、プレ終活 まずは、デジタル資産の整理から」のキャッチコピーを掲げる。その後の人生にずっと付き合うことを想定したサービスだ。月額税込み495円。その狙いと勝算を尋ねた。
年間1万件の追悼に使われる「@葬儀」とは何か?
コロナ禍でにわかに注目を集めた「オンライン葬儀」だが、軌道に乗ったものは少ない。その中で、年間1万件を超える施工を続けているのが「@葬儀」だ。同サービスは「葬儀のライブ配信サービスではありません」という。
脳腫瘍から始まったデジタル終活ツール「まもーれe」
自分の身に何が起きてもデジタルの持ち物を託すべき人に託し、隠したいものは隠しきる。実体験からそのためのWindowsツール「まもーれe」を開発したMONET代表の前野泰章さんが重視したのは、徹底したローカル化だった。