トップ10
2008年09月08日〜2008年09月14日
サンフランシスコで9月9日に開催された特別イベントで、第4世代の「iPod nano」(以下、nano)や、第2世代の「iPod touch」が発表された。それを受け、先週のランキングはiPodフィーバー! なんと、トップ10のうち5つの記事がiPod関連の記事となった。
今回のnanoはボディ形状を一新し、縦長で曲線の印象的なフォルムになった。カラーも、nanoとして過去最多の9色の展開で、ベーシックなシルバーやブラックに始まり、パープル、ブルー、グリーン、オレンジ、イエロー、ピンク、(PRODUCT)REDと鮮やかな色がそろった。
ちなみに個人的に注目している色は、(PRODUCT)REDだ。第2世代から登場しているこのカラーは、ロックバンドU2のボノらが発起したアフリカのエイズ対策支援の取り組み「プロダクト・レッド」に賛同して作られたカラーだ。
プロダクト・レッドとは、“PRODUCT RED”という1つのブランドを軸に、他業種に渡るパートナー企業が製品を開発・販売し、その収益を支援にあてる“民間企業からの寄付の流れ”をつくる仕組みだ。
これまでは、アルマーニやアメリカンエキスプレス、GAPやモトローラなど多くの企業がパートナーとして商品開発を行ってきた。
このプロジェクトは“各社の商品力やマーケティング力を使って企業と世界基金両方に利益をだす持続的な仕組み”と称され、賛同する企業側が利益を出すことを否定的にとらえていない印象をうける。つまり、自社の利益のためにもよりよい製品を開発、販売する必要があり、実際に今回のiPod nanoのように多くの人が手に取るような“王道の製品”がリリースされている。
しかし、パートナー企業たちがそうそうたる顔ぶれなのにもかかわらず、爆発的な流行になっていない気がするのはなぜだろうか。いや、感度の低い乙女の気のせいかもしれない……でも、少なくとも大々的に話題になっているとはいい難いだろう。
街中で該当の製品を見つけた際にも、“プロダクト・レッド”のポリシーに基づいて作られた製品であることが分かる表示はあれど、決して過剰に目立たせようとしていないことが気になった。
その時、ふと思ったのは、この“目立たせない仕組み”は「自分の好きな製品を買ったら、ついでにいいことができた」という構図を作ろうとしているのではないかということだ。押しつけがましくなく、偽善っぽくもない、さらに本当に欲しいものを買ったらいいことができるとなればなんだか気持ちがいい。しかも、爆発的な流行にしないことで、一過性のブームで終わらせず持続性のあるシステム作りをしているのではないだろうか。
かっこいいとか、かわいいとかそんなささいなきっかけで知らない国の誰かを助けられるプロジェクト、プロダクト・レッド。ミーハーな乙女としては、企業にも、基金にも、自分にもいいことがあるなんだかすてきなプロジェクトだと思う今日このごろです。
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