できるビジネスマンのノウハウ伝授
第4回 Excelデータの上手な料理法 - その2-(2/4)
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まずは、“使える”営業ツールを作らねば
福島課長代理 「山田課長から聞いただろうが、『プロジェクト“C”』のソフト的インフラとして、基本的な営業ツールを3つ用意しようとしているんだ。まず、顧客データ、次に、商品カタログをまとめた、いわば電子カタログ、そして、見積書の作成ツールだ」
田中君 「顧客データは、ファイルメーカーProでデータベース化して使っています。Excelの顧客リストをインポートして使えるようになっているので、今回のような横断的なプロジェクトでは便利だと思いますよ(第3回 Excelデータの上手な料理法 -その1-にて紹介)。でも、商品カタログと見積書作成については勉強する必要があるので、少し時間をください」
福島課長代理 「そうか。顧客データのデータベース化がうまくいっているというのは山田課長から聞いていたので、実はそのシステムをそのまま使うつもりなんだ。商品カタログは、ビジュアルで説得力のあるものにしたい。そのカタログを使って、プロジェクトのメンバーが早急に営業をかけなきゃならないんで、こちらが急務なんだ。これを急いでやってくれないかな」
「それから、見積書なんだが、Excelで作っていると、どのお客様にどの案件でおくった何の見積もりなのか、いちいちファイルを開かないと分からなくなってしまうだろ。ミスが発生してからでは遅すぎるから、プロジェクトがスタートするまでに手を打っておきたいんだ」
画像を入れた商品カタログツールを作る
自分ひとりで、しかも急ぎとなるとなかなかしんどい。こういうときの頼みの綱は、やはり及川先輩だ。
及川先輩 「写真と詳しい解説を加えたカタログを作るわけね。たしかに、これはExcelが得意とするものじゃないわね。しかも、データベースならどんなデータベースだってこれをこなせるというわけじゃないのよ。画像ファイルを手軽に取り扱うなら、ファイルメーカーProが一番。客先で見せる電子カタログなんだから、レイアウトには凝らないといけないわね。それに、メーカーのWebページにジャンプしたりといった機能も必要だし……」
田中君 「データの元になるものはあるんですよ。Excelの形で」
及川先輩 「なるほど。じゃあ、前回と同様に、まずはExcelファイルをファイルメーカーProにインポートするところから始めましょう。今度はファイルメーカーProのほうにマスターファイルがあるわけじゃないから、Excel版の商品リストをドラッグ&ドロップでインポートしてみましょう」
田中君 「やり方は前回と同じですよね。もうインポートが終わりましたよ」
及川先輩 「では、ここからレイアウトと追加項目を考えていきましょう。あらかじめレイアウトやフィールドの設計をしなくてもなんとかなるというのが、ファイルメーカーProのいいところなのよね」
田中君 「じゃあ、レイアウト画面に入って、フィールドの長さを整えたり、フォントの大小、強弱をつけたり、色を変えたりしますね。同じようなことを表計算ソフトでやろうとしたら大変なことになりますね」
及川先輩 「あ、そうそう。画像のためのフィールドを入れるのを忘れないようにね。[フィールドの定義] から [オブジェクト] という種類を選ぶのよ」
画像用のフィールドを追加する。Excelデータをインポートしたあとでのフィールド追加も簡単
田中君 「作りました。でも、この画像ってどう登録するんですか? 大変なんじゃないですか?」
及川先輩 「楽なものよ。ただ画像をそのフィールドにドラッグ&ドロップするだけだから」
田中君 「うひゃあ、そんな楽なもんでいいんですかね?」
及川先輩 「実は、ドロップできるのは画像だけじゃなくって、ムービーやサウンドとかもOKなの。例えば、製品のコマーシャルムービーや、製品を縦横に回すQuickTime VRムービーなんかも、ここに入れることができるのよ」
田中君 「そいつはすごいですね。ただ、そういうデータが用意された製品ってそうたくさんあるものじゃないので、フィールドの項目としては画像1点分でいいと思います」
[高岡幸生(ジェネコム), ITmedia
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