ファイルメーカーPro ユーザーの現場を探る
第4回 放送局のCM管理に活用する「ミステリチャンネル」(2/4)
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この広告管理データベースの基本部分は、スカイパーフェクトTVへの送出用システムに入力されたものがベースになります。送出という作業は、放送局で作ったビデオのデータとEPG(電子番組表)のデータを、スカイパーフェクTVの基地に送り届けるものです。この送出用システムは、富士通のパソコンFMVで動作するWindowsのシステムですが、データのインポートができないため(エクスポートはできる)、このシステム上で基本データを打ち込み、それをCSVファイルに吐き出してファイルメーカーProに持ってくるという方法をとっています。
ファイルメーカーProに取り込まれたCSVデータは、井上氏が開発したシステムにより、タイトル、出演者、監督、制作年などが入った番組1話ごとのデータ「インデックスカード」と、それをシリーズごとにまとめたものが、それぞれデータベースとして作られ、リレーションが張られています。ここからそのままEPG(電子番組表)のデータや、ウェブのデータが作られればさらに便利なのですが、送出システムをマスターにしなければならないため、できないというのが現状のようです。
さて、番組1話ごとのインデックスカードが入力されると、そこには番組の本編の番組尺(長さ)が入っています。広告主が希望する時間帯にあわせて、そこに何本、広告を入れることができるかということが、このシステム上では瞬時にわかるようになっています。このシステムを動かしているマシンの前には、専任者がひとり座っており、発注や要望に応える管理業務を一人で行っています。「ダブルブッキングがないように、一人に集中させています」と井上氏。たとえば、「来月、30秒CMを100本入れたいんだけど、大丈夫?」とかいう要求を出されても、何時から何時までという条件を入れてもらえば、確保できるそうです。この場合、いちばん恐いのが、「二重売り」。このため、予約を入れた段階で、ほかのCMが入らないようなシステムになっています。予約には「仮押さえ」と「決定」の2種類がありますが、どちらの場合にも、「空き時間」の検索には出てこないようになっています。
[松尾公也, ITmedia
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