中学生の4割が「禁止されても、学校にケータイを持って行く」
文科省が学校へのケータイ持ち込みを原則禁止する中、KLabが小中学生の携帯ユーザーを対象とした意識調査を実施。持ち込み禁止については中学生の約6割が反対と回答しているが、「禁止されても、学校にケータイを持って行く」と答えた中学生も4割に達した。
KLabは3月31日、インターライズと共同運営する歌詞配信サイト「うたまっぷモバイル」の小中学生ユーザーを対象に、携帯電話の原則持ち込み禁止化に関する調査結果を発表した。調査は3月9日から同13日まで実施したもので、有効回答数は468人。
学校での携帯利用については、携帯サイトなどを通じた「ネットいじめ」の被害が深刻化したことから、文部科学省が2009年1月末、小中学校への携帯電話の持ち込みを原則禁止することを各都道府県教育委員会に通知した。ただし、緊急連絡用途など、やむを得ない事情がある場合は例外的に持ち込みを認めている。
今回、うたまっぷモバイルの小中学生ユーザーを対象に携帯電話の利用状況を調査した結果、携帯の持ち込み禁止について、小学生の57%、中学生の59%が反対と回答。男女別では女子の60%が反対と回答している。その理由は「何かあったときに連絡が取れなくなるのは困る」「親が心配するから」など、緊急時のために所持する必要性を訴える回答が多数となった。これに対して、賛成と回答したユーザーは「学校には必要ない」「授業の邪魔になる」といった理由を挙げている。
現在、学校に携帯を持って行っているかを聞くと、「禁止されているので持っていかない」という回答が小中学生ともに最多の40%強となった。「禁止されている」小学生62%のうち、所持しているのは19%、中学生の81%のうち、所持しているのは39%。また携帯の持ち込みが禁止される、されないにかかわらず、小学生の43%、中学生の53%が学校に携帯を持ち込んでいることが分かった。
携帯メールのやりとりが、いじめにつながるかを聞くと、小学生の43%、中学生の50%が「つながる」と回答した。いじめにつながると考える理由として、「学校にいるなら直接話したほうがいい」「返事をしないとトラブルになるから」という意見も見られた。また学校への携帯持ち込み状況といじめの意識については、「つながると思う」と回答したうちの半数以上が「持っていかない」と回答。これに対して「つながらないと思う」と回答したうちの6割近くが、携帯を「持っていく」と回答した。
携帯メールのやりとりが、学力低下につながると思うかという質問には、小学生の62%、中学生の56%が「つながる」と回答した。「夜中にメールをやりとりしたりするから」「音が鳴ったりして集中できない」などの理由が挙げられており、小中学生が常に携帯を身近に所持していることがうかがえる結果となった。「いつ携帯を使っていますか?」という質問にも、小中学生ともに「家に帰ってから」が35%で最多となり、これに「深夜」「放課後や帰宅中」「休み時間」という回答が続き、帰宅してから深夜までの利用が最も多いという結果が得られた。
携帯で嫌な思いをしたことがあるかを聞くと、「迷惑メールが増えた」という回答が最多となり、これに「全くない」「架空請求がきた」が続いた。中学生では「携帯で知り合った人から嫌がらせを受けた」という回答もあった。また、使っている携帯サービスと「嫌な思いをしたこと」との関係については、ゲーム利用者の47%、メール利用者の37%、チャット利用者の33%が「迷惑メールが増えた」と回答している。
自分の携帯がフィルタリングされているかどうかを聞くと、中学生の64%、小学生の33%が「していない」と回答。さらに小学生の38%、中学生の13%が「フィルタリングって何?」と回答するなど、当事者への認知度はまだ十分ではないことがうかがわれた。
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