業界全体としての動きを迅速化する――モバイル・コンテンツ・フォーラムが社団法人に
モバイルビジネスの多様化が進む中、携帯コンテンツ業界の活動を支援する任意団体「モバイル・コンテンツ・フォーラム」が社団法人として新たなスタートを切った。変化の激しいモバイル市場に、業界としての動きを迅速化することで対応する。
携帯電話向けコンテンツやモバイルインターネットサービスに関するさまざまな活動を支援する任意団体として発足したモバイル・コンテンツ・フォーラムが、一般社団法人として新たなスタートを切った。
モバイル・コンテンツ・フォーラムは、携帯インターネットを利用したコンテンツ配信が活性化の兆しを見せ始めた10年前に任意団体として発足。携帯コンテンツの普及とともに会員数も増え、現在は263社が同団体に所属している。その活動も、定例セミナーや年次イベント「mobidec」の開催に始まり、今では未成年携帯ユーザーの安全なモバイルインターネットアクセスをサポートする「モバイルコンテンツ審査・運用監視機構」の設立を手がけるなど、年を追うごとに多様化が進んでいる。今後も活動領域が広がると予想されることから、同団体では設立10周年を区切りに社団法人化を決めたという。
3月31日付けで任意団体を解散し、4月1日に一般社団法人モバイル・コンテンツ・フォーラムの設立登記を完了。4月21日の創立記念総会の開催に合わせて、同団体の常務理事を務めるソーシャルアントレプレナ・イニシアティブ・ジャパン代表兼主席研究員の岸原孝昌氏と、代表理事を務めるサイバード 代表取締役社長の川田敦昭氏が、組織構成と今後の活動について説明した。
モバイルコンテンツ業界のそうそうたる顔ぶれが創立記念総会に集った。代表理事に就任したインデックス代表取締役社長の小川善美氏、サイバード代表取締役の川田敦昭氏、ザッパラス代表取締役会長兼社長の杉山全功氏、シーエー・モバイル代表取締役社長の外川穣氏、ディー・エヌ・エー代表取締役社長の南場智子氏、ドワンゴ代表取締役の小林宏氏も総会に参加
6つの委員会を設置、テーマを横断する議論も積極的に
社団法人としての新組織は、総会の下に理事会、代表理事、役付理事会を設置し、意志決定の迅速化を目指すと川田氏。委員会については、コンテンツの普及・拡大やビジネスモデルの変化で、多岐にわたる議論が必要になったことに加え、さまざまな調整や意見交換が求められることから6つの委員会を設置した。
具体的には、セミナーなどのイベント事業を担当する「事業委員会」、ユーザー保護の観点から事業者の取り組みを検討する「消費者委員会」、諸団体との意見交換を行う際に議論の場を設けたり、意見を取りまとめる「コンテンツプロバイダ委員会」、市場調査や広報活動を担当する「広報・調査委員会」、著作権の管理や対応を行う「知財・著作権委員会」の5委員会と、委員会を横断する議論が必要となったときに協議の場となる「総務委員会」で構成される。
法人化で、業界全体としての動きがとりやすくなる
任意団体から社団法人化することで、大きく変わるのは、「業界全体としての動きが取りやすくなる」点だと岸原氏。「責任ある立場の、権限を持った役員がモバイル・コンテンツ・フォーラムの理事として参加することで、コンテンツの海外展開などの新たな施策を行う際にも、業界全体で動くことができる」(岸原氏)
川田氏は、モバイルコンテンツが幅広い業界との接点を持ち始めている中、さまざまな方面の人と意見調整をする必要が出てくるとし、「我々自身が法的基盤にのっとって説明責任や団体運営の透明性を確保し、“自ら襟を正してやっていくべき”という声が動機になった」と説明している。
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