世界の携帯出荷台数、2009年は前年割れの見込み
矢野経済研究所が、携帯電話の世界市場に関する調査リポートを発表。2008年の携帯出荷台数は前年比7.5%増の11億8289万台となったが、2009年は景気悪化の影響で前年を割り込むと予想している。
矢野経済研究所は7月16日、携帯電話の世界市場に関する調査リポートを発表した。同調査によれば、2008年の世界市場における携帯電話の出荷台数は、前年比7.5%増の11億8289万台だった。
2008年9月の世界同時株安と景気悪化により、第4四半期の携帯電話出荷が急速に減退したものの、2008年第3四半期までの出荷は過去最高を記録した。
2009年の世界市場における携帯電話の出荷台数は、前年比7.5%減の10億9424万台となる見込み。第1四半期は、前年に引き続き景気悪化の影響を受けて低迷したものの、メーカー各社が減産や在庫調整を行ったことから、第2四半期以降は少しずつ回復に向かいつつあるという。2009年は昨年に引き続き、スマートフォンやデータ通信端末の出荷が好調で、この分野で出遅れていた大手メーカー各社も、この分野に新製品を投入し始めている。また、途上国ではローエンド製品の需要が底堅く、矢野経済研究所ではシェアを獲得するにはローエンド市場をおさえることが重要であると分析している。
2009年は世界的な経済状況の悪化により、携帯電話の出荷は前年割れを避けられないが、アジア、中南米、中近東、アフリカ市場に大きな成長の余地があること、3G(3.5G)が先進国に加えて途上国でも普及の兆しが見え始めていること、また、モバイルインターネット市場が拡大していることなど、プラスの要因も多い。今後は再び成長に転じるとみられ、矢野経済研究所では2012年には13億2277万台の市場に拡大するものと予測している。
調査は3月から6月まで、国内通信キャリアや国内の端末メーカー、海外の端末メーカー、海外のOEM企業、海外のPCメーカー、海外PNDメーカーを対象に実施した。
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