法人向けケータイサービス、ドコモが顧客満足度トップに:調査リポート
J.D. パワー アジア・パシフィックが実施した法人向けケータイサービスの顧客満足度調査で、NTTドコモが2年連続でトップを獲得。測定要素となる「コスト」「サービス品質」「営業窓口の対応」「サービス内容」のすべてで他社を上回る評価を得た。
J.D. パワー アジア・パシフィックは9月16日、2010年の日本法人向け携帯電話・PHSサービス顧客満足度調査の結果を発表した。
同調査は、従業員規模100人以上の企業の各種電話サービスの管理・意思決定関与者を対象に、主に利用している法人契約の携帯電話/PHSの利用実態や顧客満足度を調べたもので、回答件数は3222件。
顧客満足度の測定にあたっては、「コスト」「サービス品質」「営業窓口の対応」「サービス内容」という4つのファクターを設定。総合満足度に対する各ファクターの影響度は、「コスト」が38%、「サービス品質」が24%、「営業窓口の対応」が22%、「サービス内容」が16%の順になっている。
総合満足度ランキングでは、NTTドコモが昨年の調査に引き続き第1位となった。同社は全4ファクターで他社を上回る評価を得ている。第2位はauで、全4ファクターで2番目に高い評価を得た。第3位はソフトバンクモバイル、第4位はウィルコムと続き、前回調査の順位と変動はなかった。
業界全体の総合満足度は昨年から21ポイント向上。全ファクターで満足度の向上がみられたが、その幅が一番大きかったのは「コスト」だった。従業員数の少ない企業では「社員間の通話料」、大きい企業では「導入コスト」や「全体的な通信費」の抑制が重視される傾向がある。今後の利用について「内容、規模を縮小したい」「利用を中止したい」というユーザーは、「コストが高い」ことを理由を挙げるケースが36%と高い割合を示している。法人市場ではコストが顧客の獲得、維持に対して重要な要素の1つといえそうだ。
しかし、総合満足度への「サービス品質」「営業窓口の対応」の影響度が、それぞれ2割強であるところからも、コストのみの高評価がクライアントの満足度を高める要因ではないことが分かる。調査結果によれば、コスト満足度が高い顧客は、「営業担当者のコンタクト頻度が1カ月に1回以上」という割合が高く、「通話・通信が途中で途切れる」「サービス圏内なのに、音声通話の発着信ができない」などの通信品質に関するトラブル経験率も低い。営業面や品質面でもクオリティの高いサービスを受けられることが、高い満足度を支えているといえそうだ。
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