Android、モバイル広告で13億ドルを稼ぐ見込み――アナリストの予測
2012年までに1億3300万人のAndroidユーザーを獲得し、1ユーザー当たり年間9.85ドルのモバイル広告収入を得るという予測は、それほど非現実的ではない。
米Googleの「Android」OSは2012年に、モバイル広告で13億ドルを稼ぎ出す見込みだ――あるアナリストは2月8日(現地時間)、Googleのデータを元にこのような予測を示した。
Googleが発表したデータによると、同社のモバイル広告の事業は昨年1年間を通じて年率換算で10億ドルの規模で推移した。米金融会社Piper Jaffrayのアナリスト、ジーン・マンスター氏はこの数字に基づき、Googleの昨年のモバイル広告の売り上げは8億5000万ドルだったと推定する。
マンスター氏によると、この売り上げのうちAndroidの寄与分は1億3000万ドルで、これはARPU(1ユーザー当たりの平均収入)で5.90ドルに相当するという。Googleの広告収入全体のARPUは25.77ドルで、同社のWeb検索エンジンはそのうち18.85ドルを占めるという。
将来的な見通しとして、Googleは2012年までに1億3300万人のAndroidユーザーを獲得し、1ユーザー当たり年間9.85ドルの収入を得る見込みだ、と同氏は予想する。これは、Androidが同社に13億ドルの広告収入をもたらすことを意味する。
これは巨大な数字のように思えるが、決して達成不可能ではない。近くCEOの座を退くGoogleのエリック・シュミット氏が昨年夏に行った発言とも合致しているからだ。「ARPUを10ドルとしてAndroidが10億ユーザーを獲得すれば、同プラットフォームは100億ドルのビジネスに成長する可能性がある」とシュミット氏は語った。
マンスター氏の計算に従えば、シュミット氏の目標も不可能なことではない。しかしGoogleがAndroidで10億人のユーザー(同社の検索エンジンを利用している公称ユーザー総数に相当)を獲得するまでの道のりは長い。
この仮説が現実になるには、何が必要なのだろうか。毎日、30万台のAndroid端末がアクティベートされている。これは確かに1つの要因だ。だがそれだけでなく、タブレットやAndroid搭載Google TVも目標達成に貢献するだろう。
最近行われたAndroid Marketの改善も重要な要因になりそうだ。これは、ユーザーが簡単にアプリケーションをダウンロードできるようにすることで、アプリケーション内広告による1ユーザー当たりの収入の増加を狙ったものだ。
Googleは2月2日、Android MarketのWeb版を立ち上げた。Webブラウザからアクセスできるこのオンラインストアでは、ユーザーはいつでもGoogleアカウントを使って各種端末用のアプリをダウンロードできる。ユーザーがAndroid端末にインストールしたアプリの履歴も記録される。
さらにGoogleは2月10日、ニューヨーク市内のオフィスでモバイル広告大会を開催する。「ThinkMobile」と銘打たれたこのイベントには、米ベンチャーキャピタルのKleiner Perkinsのパートナー、メアリー・ミーカー氏、Googleの米国事業担当上級副社長のデニス・ウッドサイド氏、そしてGoogleのモバイル部門の北米・中南米地域責任者を務めるジェイソン・スペロ氏が出席する。
「各氏はモバイル分野で最も重要なトレンドについて語り、この分野に進出したばかりの企業でも、まだ遅くはない理由を説明する予定だ」とGoogleモバイル部門のグローバル統括責任者のカリム・テムサマニ氏はブログに記している。
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