2012年宇宙の旅。ヴァージンギャラクティックが主催する夢の宇宙旅行秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話(1/3 ページ)

» 2011年07月29日 08時00分 公開
[秋本俊二,Business Media 誠]

 大気圏を越え、高度110キロの宇宙空間へ。輝く星々や青い地球をスペースシップから眺める夢の宇宙旅行が、2012年にも実現する。主催するのはヴァージンギャラクティックだ。その具体的な内容は? そして気になる値段は?(画像提供:ヴァージンギャラクティック

青い地球を見てみたい

 初めて海外へ出た人が、帰国後に「人生観が変わった」と話すのを聞くことがある。日本から外国へ行くだけでそうなのだから、大気圏を飛び出して宇宙へという体験はきっと想像を絶するものなのだろう。「宇宙を知った人間は決して前と同じ人間ではいられない」と言ったのは、アポロ9号の乗員として地球軌道を10日間飛行したラッセル・シュワイカート氏だった。

飛行機と空と旅 青い地球を宇宙から眺めるというのは、はたしてどんな体験なのか……(画像をクリックすると拡大します)

 宇宙体験語録はほかにもある。たとえば、アポロ15号の飛行士で月面に3日間滞在したジェームス・アーウィン氏の言葉──。

「月の大地は灰色の山脈と丘が連なっていた。地平線の向こうに黒い宇宙空間が切り込んでいた。動くものはない。風もない。だが、まるで生まれ故郷にいるような安心感があった。すぐ後ろに神がいそうで、私は宇宙服の肩越しに何度も振り返った」

人生観を変える宇宙体験とは?

 アーウィン氏は、月面でたしかに“神”を感じたと言うのだ。そして彼が神と対峙しているそのとき、アポロ15号の司令船で月を周回していたアルフレッド・ウォーデン氏も同じような体験をし、こう述べている。

「宇宙にはすべてを超えた“力”がある。始まりも終わりもない。そこにはただ、すばらしい世界をつくった“意志”があるだけだ」

 テクノロジーの最先端で生きてきた人たちが、現代の常識や科学技術では説明できない“神秘の世界”を平然と口にし始めるのだから、不思議である。宇宙から帰還すると、飛行士の仕事を捨てて宗教家や伝道師になる例も少なくない。なぜなのか? それはきっと、体験しなければ決して語れない世界なのだろう。そしてそんな神秘の世界の扉を、一般の人たちに開かれる日が間近に迫ってきた。輝く星々や青い地球をスペースシップから眺める夢の宇宙旅行が、いよいよ2012年にも実現する。

飛行機と空と旅 民間人向けの宇宙旅行を主催するヴァージンギャラクティックのスタッフたち
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