ベトナム航空で成田からホーチミンへ秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話(3/5 ページ)

» 2011年09月28日 08時00分 公開
[秋本俊二,Business Media 誠]

男性クルーも数多く在籍

 男性クルーの制服はスーツスタイルだが、やはりネクタイの赤がポイントになっている。またキャビンクルーというと、女性がほとんどと思われがちだが、ベトナム航空では男性クルーも数多く在籍。男女の割合は半々くらいだそうだ。みんなフレンドリーで、乗客にも気軽に話しかけてくる。「ベトナムは初めて」と言う乗客には、おすすめの店などをメモに書いて教えていた。

飛行機と空と旅 和気あいあいとサービスに当たる男性クルーたちは機内のムードメーカー

 ホーチミンに滞在予定? そう聞いてきたクルーに「国内線に乗り継いでホイアンやフエを訪ねる予定だ」と答えると、彼は笑顔を見せて次のように言った。

「ホイアンとフエ。いいプランだね。国土の半分が海に面しているので、ベトナムにはビーチリゾートがたくさんある。その中でも、ホイアンとフエはおすすめだよ。ホイアンは世界遺産の街として有名だけど、夏場はビーチリゾートを目指してくる旅行者も多い。ベトナムの文化を味わう旅なら、フエがいいね。古い街で、ホーチミンのような都会の喧騒とはまた違う、ゆったりとした時間が楽しめると思うよ。よい旅を!」

3つの国の合作サービス

 ベトナムは“食の宝庫”ともいわれ、ミールサービスも充実している。ホーチミンまでは約6時間のフライトだが、機内では長距離路線並みに和食または洋食の本格的なフルコースを提供。メイン料理は2カ月ごとにメニューが変わるので、頻繁に出張があるビジネスマンにも好評だ。「333(バーバーバー)」や「ビアハノイ」「ハリダ」などベトナムビールを搭載しているのも嬉しい。蓮のお茶「ロータスティー」も各クラスで用意されている。

飛行機と空と旅 まずは地ビール「ハリダ」で乾杯!
飛行機と空と旅 前菜は和食コースからチョイス

飛行機と空と旅 メイン料理はローストチキンで
飛行機と空と旅 デザートも手が込んでいる

 クルーたちのサービススタイルも個性的だ。私はそれを「フランスと日本とベトナムの合作サービス」と呼んでいる。

 ベトナム航空はもともとエールフランス航空から機材の提供を受け、同時に客室乗務員も派遣されて運航をスタートした。そのため、サービスにはフランス流のやり方が色濃く根づいている。その後、日本路線が開設されると、他のエアラインで経験を積んできた日本人クルーを積極的に採用。彼女たちは日本人独特のきめ細かなサービススタイルを社内で提案するようになった。もちろん、本来のベトナム流のサービスというのもある。素朴で、のんびりしていて、いつも笑顔を絶やさない。そんなベトナムの伝統とフランス流、日本流がミックスされて、世界でも類を見ない独特のサービスが完成しているのだ。

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