今週末見るべき映画『マリリン 7日間の恋』(2/2 ページ)

» 2012年03月23日 15時10分 公開
[二井康雄,エキサイトイズム]
エキサイトイズム
前のページへ 1|2       

Story

 コリン・クラーク(エディ・レッドメン)は、大学を出たばかりの23歳の若者だ。映画が大好きで、マリリン・モンローの歌う『ヒート・ウェーブ』の画面に見入っている。コリンはロンドン郊外の名家の育ち、父は高名な美術史家で、美術館への就職ならどこでも可能という身分である。親のコネに頼らず、自立を願うコリンは、映画製作の仕事に就きたくて、イギリスの名優ローレンス・オリヴィエの事務所、オリヴィエ・プロを訪ねる。映画の撮影は8週間後だと、すげなく断られる。以来、毎日毎日、コリンはオリヴィエ・プロに通う。採用されていないのに、たまたま電話を受けたのがきっかけで、ノエル・カワードの電話番号を調べるよう言いつかる。すぐに、カワードの電話を調べ、メモを差し出すコリン。

 ある日、オリヴィエ(ケネス・ブラナー)とヴィヴィアン・リー(ジュリア・オーモンド)夫妻が事務所にやってくる。リーは、名家の子息コリンを知っているが、オリヴィエは知らない。オリヴィエは、「オリヴィエ」というタバコをコリンにプレゼント、何か仕事を見つけてやれとマネージャーに言う。アカの疑いで、アーサー・ミラーのパスポートが発給されず、イギリスに来るのが遅れている。アメリカ大使を説得するとオリヴィエ。

 コリンの最初の仕事は、イギリスに来るモンローやアシスタントたちの住む家を見つけることだ。マスコミに洩れないよう、秘密裡にことを運ばなければならない。コリンは機転を利かして、2軒の家を借りる。その対応にオリヴィエは言う。「君、給料は?」。「いいえ」とコリン。「払ってやれ」とオリヴィエ。仕事は、サードの助監督。いわば、何でも屋である。パブの片隅の粗末な部屋が、コリンに与えられる。パブのマスターが言う。「グレイス・ケリーと相部屋だが、我慢してくれ」と。モンローのボディガードを手配したり、その気まぐれな行動をチェックし、飲酒や薬にも気を配るという、大変な仕事である。

 ミラーのアカ容疑が晴れて、いよいよ、モンロー(ミシェル・ウィリアムズ)とミラー(ダグレイ・スコット)夫妻が、ロンドンにやってくる。オリヴィエ夫妻も空港に出迎える。米英演劇界の最高のカップルと、空港には取材陣が押し掛け、たいへんな騒ぎである。台本の読み合わせが始まる。オリヴィエを始め、共演の女優シビル・ソーンダイク(ジュディ・デンチ)らが待っているのに、モンローはなかなか姿を現さない。やっと現れたモンローは、オリヴィエの演技論よりも、コーチとして付きそうポーラ・ストラスバーグ(ゾー・ワナメーカー)のメソッドを重視する。

エキサイトイズム

 撮影が始まっても、オリヴィエとモンローの演技に対する考え方は対立するばかり。ベテラン女優のシビルは、何かにつけ、モンローをかばってくれるが、遅刻し、何度もNGを出すモンローに、オリヴィエは怒る。撮影は予定より遅れ、いらいらが募るオリヴィエはコリンに、モンローの見張り役を命じる。モンローを訪ねたコリンは、泣いているモンローを目撃する。ミラーの書いたメモが原因のようである。

 やがてモンローは、心優しいコリンの応対に、少しずつ、女性としての素顔を見せ始める。そして、モンローのビジネス・パートナー、ミルトン・グリーン(ドミニク・クーパー)の制止を振り切って、2人はウィンザー城に出かけていく。

 30歳のモンローに恋心を抱いた23歳のコリン。はたして、この恋の行方は? また、映画『王子と踊り子』は、無事、完成するのだろうか?

3月24日(土)より、角川シネマ有楽町ほか全国ロードショー


前のページへ 1|2       

Copyright (C) 1997-2014 Excite Japan Co.,Ltd. All Rights Reserved.