前述のように、方位・圧力・温度のトリプルセンサーはプロトレックのアイデンティティでもある。そもそも、アウトドアウォッチにはなぜトリプルセンサーが必要なのだろうか?
「登山をするとき、絶対に必要な計器が2つあります。それが、高度計と方位計です。登山者にとって、高度と方位は必ず分かっていないといけない情報。方位計は方位磁石を持ち歩く人も多いので代替品がありますが、高度計は難しい。高度計を別に持ったり、スマートフォンのGPSを使ったりする人もまれにいますが、ほとんどの登山者にとって、腕時計の高度計は必需品です。地図の等高線と照らし合わせてルートを確認したり、自分が上る予定の高さのどのあたりまで来ているのか確認したりするには高度の値が必須だからです」(牛山さん)
上述の通り、トリプルセンサーとは「方位センサー」「圧力センサー」「温度センサー」の3つのセンサーを指す。方位センサーで東西南北の方角を、圧力センサーで高度と気圧を、温度センサーで温度を測っている。登山者に絶対必要な、高度計と方位計の機能を腕時計に入れる……これがプロトレックの初代から変わらないコンセプトなのだ。
初代&2代目マナスル(PRX-2000T、PRX-2500)は二層液晶のデジタルウォッチで、大きな盤面に時刻を数字で液晶表示し、その上の層の液晶に、高度や方位を重ねて表示していた。
しかし最新モデルのPRX-7000Tはアナログウォッチだ。時刻だけでなく高度も方位も、あらゆる情報をアナログ針で表示する。これこそがPRX-7000Tの最大の特徴でもある。これを可能にしたのが、「Smart Access」というシステムだ。
通常のアナログ時計では、時針、分針、秒針は連動して動く。しかしSmart Accessなら、それぞれの針を独立して駆動させることができる。このシステムを採用したことにより、PRX-7000Tではあらゆる情報をアナログ針で表示することが可能になった。
PRX-7000Tには、時針、分針、秒針と、モード(機能)を示す「インジケーター針」の4つの針が搭載されている。インジケーター針は、そのとき時針、分針、秒針が指しているものが何かを示すものだ。例えば右の写真の場合、インジケーター針がALTIMETER(高度計、単位は10メートル)を指しており、時針が「0」、分針が「1」、秒針が「2」を指しているので「高度120メートル」ということになる。実際に針がどんな動きをするのかは、下の動画を見てほしい。
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