ミラノの街で太陽光の新しい提案が輝いた――パナソニック、ミラノサローネ現地報告(2/2 ページ)

» 2012年04月19日 13時52分 公開
[本間美紀,エキサイトイズム]
エキサイトイズム
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 使われたのは太陽光パネル50枚と、透明で強いポリカーボネートの構造ベースだ。「光を遮らず、パネルの加重に耐えるもので構造をくまなければならない。そしてもちろんその空間からメッセージとデザインを感じるもの」(平田さん)。傾いたパネルを組むのに、専門家に構造計算も依頼したという。輸送面も考え、パネルを含め3つのパーツだけで構成されている。

 ここで使われているのが、両面発電ができる「HITダブル」という商品だ。欧州と北米で先行発売されたもので、重ねて光が通る透明性があり、照り返す光も拾えるため、プールサイドの壁に使って水面の反射光などを利用するのにも使われている。

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 実際に来場者は立ち入ることができないのが残念だが、この太陽光パネルの「森」に入り、見上げると、空と光がきらきらと輝く。木漏れ日を感じさせる。「太陽光があたると虹色に輝く、そんな不規則な美しさにも惹かれます。東京で予測していたスケール感とあまりずれがなくてよかった」と平田さんは胸を撫で下ろす。

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 「地面の芝生の上には全天候型のLED照明を点々と散らばらせ、下からの光とパビリオンが共鳴するイメージです」と平田さん。歴史的な建築と最新の技術が、見事に融合した。コリドーと呼ばれる回廊には木の周りの花のように、LEDや有機ELの照明がちりばめられた。

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 4月2日から2週間かけて設置を行ったが、あいにく天気にはずっと恵まれなかった。それがこの初日、輝くような晴れ間が広がった。4月16日のプレス発表には海外のメディアも詰めかけたが、「展示の後、これはどうなるのか?」「実用化はいつできるのか」なと、技術に期待をする質問が多く寄せられた。

 実際の効果に関して、ある程度の想定データは出ているが、今回はあくまでも展示であり、今回の発電はデモ的なものだ。しかし太陽光パネルは平たい形だけなのか、もっと有効に使える方法はないのか。そんな問い掛けも未来に投げかける。次回はこの展示を通じてパナソニックが目指すことや具体的な商品、技術について触れたい。

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