さて、MUDMAN GW-9300のもう一つの特徴が、方位と気温を計測するツインセンサーを搭載している点だ。アウトドアでの使用を念頭に置いているこれらの機能は、自然写真の撮影現場でも大いに役立つ。
まずはコンパス機能について。センサー起動ボタンは大きく、溝が切ってあるので使いやすい。ただし、かなり強く押し込まないと反応しないので、ボタンを押した際に腕時計の向きがずれないよう注意が必要だ。
南アフリカのクルーガー国立公園はアフリカ大陸で最もインフラ整備の行き届いた保護区である。道路は非常にきれいで、地図もしっかりしたものが手に入るため迷うことはほとんどない。それでも、自分がどちらを向いているのかが分からなければ、その地図は役に立たない。標識がある場所なら話は早いのだが、南北の総延長380キロ(これは東京−名古屋間の距離より長い)、東西の幅60キロという巨大なエリアで、すべての道に標識が立っているわけではない。
もっとも問題もある。猛獣のいる国立公園内は、指定場所以外でクルマを降りることが禁じられている。安全のための当然の措置だ。ところが、クルマはそれ自体が磁気を帯びていたり、スピーカーなど磁石を使用した機器類が装着されていたりする。
そう、MUDMANのコンパスは磁気方位計であるため、車内でコンパスを使用すると誤った計測結果が出ることもあるのだ。どうしても正確な方位が知りたい場合には周辺状況に注意を払いつつ車外に出ねばならないが、規則違反である上に非常に危険である。
そこで今回は、進みたい方角を調べる以外の目的で方位センサーを多用することにした。それはカメラを向けている方向を記録するというものだ。
筆者は普段ニコンのデジタル一眼レフ使用しているが、位置情報の記録のためにニコン純正のGPSユニットを装着している。後日地図上に撮影ポイントをプロットするためだ。残念なことにこのユニット、緯度、経度、高度、時刻は記録できてもカメラがどの方向を向いているのかが記録できないという欠点を持っている。
そこでMUDMANで方位を計測し、カメラについている音声メモ機能で撮影方向を録音するという手段を用いている。
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