眠りを誘う「スリーピングウエア」って知ってる? 着心地と寝心地を1週間試してみた

» 2012年12月12日 18時00分 公開
[大場真代,Business Media 誠]

筆者プロフィール:大場真代(おおば・まよ)

フリーライター。1979年生まれ。フェリス女学院大学卒業。在学中から雑誌編集に携わり、卒業後編集プロダクション勤務の傍ら、メンタルクリニックでのアルバイトを経験。現在は、医療や健康・美容関連の記事などを執筆。高齢者に健康でイキイキと過ごしてもらうための体操を指導する「NPO法人血液循環体操研究所」の役員も務める。Twitterアカウントは「@mayoxmayox」。


 筆者は、職業柄生活が不規則。ゆえに睡眠時間もまちまちで、最近は平均3〜6時間ほど。しかし寝つきが悪いために寝た気がせず、日々疲れの残る生活を送っている。30歳を過ぎて体力も落ちている上、頭も回らないことが多く、温泉でのんびりする日を妄想しながらなんとか仕事をこなしている。そこで教えてもらったのが、よく眠れるというスリーピングウエア「treet's(トゥリーツ)」(べネクスから発売)。実際これを着て寝ることで何か変わるのか、1週間着続けてみた。


カラーはグレーのほか、グリーンとブラウンがある。上下別々ならば外に着ていくこともアリかも

1日目と2日目は4時間睡眠でOKだった! 着心地はガーゼのよう

裏の起毛。厚みはそれほどでもないが、暖かく触り心地もよい

 まずそでを通して感じたのが、その着心地のよさ。裏側の起毛部分がガーゼのような触り心地で肌を優しく包んでくれる。最近、女子の間ではもこもこのルームウエアが流行っているが、あれは暖かさでは勝るものの、化学繊維っぽさが残っていて肌触りがよくないものが多い。トゥリーツは、生地自体の厚みも気になるほどではなく、暖かく過ごせるので着た瞬間からちょっとリラックスできた。この点はまず合格。


 1日目は午前1時の就寝。いつも寝つきが悪く、ひどい時だと朝方までネットサーフィンなんてこともあるが、この日は1時間くらいで寝ることができた。身体を動かして疲れた時のような、心地よい眠りで快適。深く眠れたからなのか無駄に朝5時に起床してしまった。うーん、せっかくならもう少し寝たかったところ。

 2日目も同様に午前1時の就寝で5時に目が覚める。両日とも疲れは残っておらず、目覚めもいいので、本来ならばよしとしたいところだが、睡眠時間を削ってしまったようなもったいなさが残る。

3日目、ナノプラチナ効果か? 真冬でもあたたかい

 3日目は「違いを調べなければ!」と普段着ているルームウエアで午前3時ごろに就寝。やはりこの日は寝つきが悪い上に寝起きも最悪。6時起きだったが、寝た気がまったくしなかった。

 冬は手足が冷えてなかなか寝付けないという女子が多いが、ご多分にもれず筆者も冷え性。冬となるとその冷たさは増し、ただでさえ寝つきが悪いのに、さらに温まるまで寝れないという悲しい現実が待ち受ける。3日目は“ダブル冷え性”で寝つきが悪かったから、寝た気がしない。昨日まではそこまで冷えを感じなかったので、トゥリーツの素材が何か体を温めてくれているのかも、と思い素材を調べてみた。

 調べてみると、素材はべネクスの独自特許技術で「PHT(プラチナ・ハーモナイズド・テクノロジー)」というもの。ナノプラチナなどの鉱物が裏地に織り込まれていて、副交感神経に作用し、リラックス効果を促進してくれるという。ナノプラチナといえば、最近化粧品などでよく使われている成分である。肌の奥まで浸透して、肌のハリや潤いを守ってくれるというものだから、悪いものではなさそう。ということで、翌日の眠りに期待する筆者であった。

4日目、睡眠用ウエアは「仕事中に着てはいけない」

 4日目は、ルームウエアとして着ながら仕事をしてみた。フリーの特権として、起きたままの恰好で仕事をするということはよくあること。すると、リラックスはできるし、肩も凝らないでいられるのだが、ふわふわしていて常時眠くなってしまう。年末のこの時期、かなり多忙を極めているのに、その緊張感もどこへ行ったのか、気が付くとウトウトしてしまった。これでは仕事がはかどらないとすぐに着替えたら、眠気も覚めて仕事がはかどる。

 ここで分かったのは、このトゥリーツを着ていると、体の力が抜けてくること。温泉に入ったときというか、マッサージの後というか、とにかく体から変な力やコリが取れて自然に眠たくなっていくのだ。まさにスリーピングウエア。同社のリカバリーウエアも「スポーツ時に着てはいけない」とあるが、このトゥリーツも「仕事中に着てはいけない」。

 そして夜、目も肩もバキバキになっていたので、某社の蒸気が出るアイマスクとトゥリーツを併用。時間は分からないが、おそらくベッドに入った瞬間に眠りに落ちていたと思う。この組み合わせは最高かもしれない。

5日目、丸1日着て冬眠状態に

丸一日眠った後の筆者(すっぴん)。あまりの心地よさに顔も体もゆるんだ

 翌日、最高の組み合わせで眠りについたからか、たっぷり8時間も睡眠をとることができた。しかも1度も目覚めることなく。普段は、物音がしたり、隣で寝ているパートナーが寝返りを打ったりするだけで目が覚めるというのに、全く気にならなずに寝ることができた。これはちょっとうれしい。しかも、予定がなければこのまま、まだまだ眠れそうな感じがある。疲れは取れていて体はシャキっとしているのに不思議。

 次の日はたまの休みなので、1日中トゥリーツを着て過ごしてみたいと思う。夜中2時ごろ、就寝。同じように寝つきもよく、途中起きることもないまま朝10時頃起床。しかし、まだまだ眠り足りない感じがあったので、食事も摂らずそのまま寝続けてみることにした。

 すると次に起きたのが17時。また少し起きて軽い食事をし、21時にベッドへ。すると目が覚めたのが23時頃。さらに2時間ほど軽くお酒を飲んでまた就寝。翌日の朝7時まで寝続けることができた。つまり、1日トゥリーツを着ていたことで、丸1日近く眠っていた計算になる。


週末の寝溜め時に最適なウエア

 冬眠かと思えるほど寝てしまったが、体は冷えないし、寝つきの悪い私がすぐに眠れるほどリラックスできたからなのだと思う。本気でこれを着て何日か冬眠したいと思ったほど。“冬眠女子”って流行らないかな……。

 着心地もよいし、しっかり睡眠ができるのはよい点だが、連続して着続けていたせいか、10日ほどで毛玉ができてしまったのがマイナス。毎日というのではなく、週末などゆっくり睡眠時間が取れるときに限定して着るというほうが使い方としてはいいのかもしれない。女子として欲を言えば、もう少しデザインがカワイイと、女子同士の旅行などにも持っていけるかな。

 あとは値段。この睡眠を手に入れられるのだからと思えば安いかもしれないが、ルームウエアで上下合わせると約4万。自分で買うのは悩んでしまうが、プレゼントなら大歓迎なので、クリスマスプレゼントにしてみるのもいいかもしれない。でも、プレゼントされた奥様や彼女は、この着心地のよさに睡眠が優先してしまって、構ってくれなくなる可能性もあるのであしからず。

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