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帝人、超軽量骨格のEVコンセプトカー――1分以内でCFRP量産可能
帝人は3月9日、炭素繊維複合材料を1分以内で成形する量産技術を確立したと発表した。EVコンセプトカーの車体骨格重量はわずか47キロ。
帝人は3月9日、炭素繊維複合材料(CFRP)を1分以内で成形する量産技術を確立したと発表した。熱可塑性樹脂を使ったCFRPで車体骨格を作ったEVコンセプトカーの車体骨格重量は47キロという。
自動車の軽量化は、CO2排出量の低減にも寄与するものとして自動車メーカーが取り組み、軽量部材としてCFRPが注目されている。従来の熱硬化性CFRPでも最短5分程度で成形可能な技術が開発されているが、帝人が開発した熱可塑性CFRPの成形技術ではこれを1分以内に短縮。量産車向け材料としての採用に大きく前進したという。
金属フレームに比べて5分の1の車体骨格重量を実現
コンセプトカーとして開発したオール熱可塑性CFRP車体骨格の4人乗り電気自動車の車体骨格重量は、従来の約5分の1となる47キロを実現。使用部位のニーズに応じて、以下の3種類の中間材料を開発した。
- 一方向性基材:限定方向に対して高い強度が要求される部位に適した中間材料
- 等方性基材:あらゆる方向に対して強度が等しく、形状自由度と材料設計自由度が高い中間材料
- LFT(Long Fiber Thermoplastic pellet):複雑形状部位に対応する射出成形に適した高強度の炭素繊維強化ペレット
同社では今後、「自動車のみならず、強度と軽量化を求められる用途への採用拡大を図り、川中・川下への展開を強化する」としている。
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