ニコラス・ケイジとジェイソン・ステイサム、レンタル業界で人気の背景:映画ウラ事情
多数の作品が待機中の2人。レンタル業界において、不動の鉄板俳優スティーヴン・セガールを抜くか!?というところまできているそうだ。
「映画ウラ事情」とは:
映画専門サイト「ハリウッドチャンネル」で連載中の、映画業界のウラ側や疑問を読み解く納得のコラム(※この記事は、ハリウッドチャンネルより転載しています)。
現在公開中の『キラー・エリート』を筆頭に、『エクスペンダブルズ2』(10月20日公開予定)、『SAFE/セイフ』(10月13日公開予定)など、多数の作品が待機中のジェイソン・ステイサム。
6月16日に公開された『ハングリー・ラビット』の翌週には、ニコール・キッドマンと共演の『ブレイクアウト』が公開、その後も『ゴーストライダー』の続編『Ghost Rider: Spirit of Vengeance(原題)』など、10本以上の作品が控えるニコラス・ケイジ。
(上)ニコラス・ケイジ主演『ブレイクアウト』、(下)ジェイソン・ステイサム主演『SAFE/セイフ」((C)2011 TRESPASS PRODUCTIONS, INC.All Rights Reserved.(C)2011 Safe Productions,LLC All Rights Reserved)
この2人の勢いがとんでもないことになっている。特にレンタル業界において、不動の鉄板俳優スティーヴン・セガールを抜くか!?というところまできているそうだ。
では、なぜここにきて、ジェイソン・ステイサムとニコラス・ケイジの2人が脚光を浴びているのか。まずはニコラスについて業界関係者に聞いた。
「彼は大作でヒーローを演じたかと思えば、風変わりな人物や魔法使いになったり、悪魔と闘ったりと、とにかく役柄が豊富。しかもそれらの作品が、スケールの大小にかかわらず、エンターテイメント性に富み、小難しくないというのが特徴です。だからこそ、観る作品を決めずに、ふらっと劇場やレンタル店を訪れた人は、分かりやすいビジュアルと内容のニコラス作品に触手が動くのだと思います。さらに、ニコラスは『リービング・ラスベガス』でアカデミー賞を受賞した演技派俳優。その点も、ハズレはないだろうという安心感に繋がるのではないでしょうか」。
次に、ジェイソン・ステイサムについて別の関係者が話してくれた。
「現在、ハリウッドNo.1アクションスターとして不動の地位を築いているステイサムだからこそ、人気が出ているのはもちろんですが、最近、見応えのあるアクション映画が少ないなか、彼の作品は本格的なものが多いからだと思います。ステイサムは自身でアクションをこなすことが多いため、演技とアクションの繋がりに不自然さや違和感がなく、自然と役に厚みが出るんでしょうね。さらに、アクションオンリーではなく、『カオス』や『ロシアン・ルーレット』といったサスペンス系、『バンク・ジョブ』のスリラー系、コメディ映画といっても過言ではないほど笑える『アドレナリン』シリーズなど、幅広いジャンルの作品できっちりアクションを生かし、面白いものに仕上げている。また、B級作品が多いという点もポイントが高いでしょうね。ソフトでB級作品は欠かせませんから」。
そして、この2人に共通したのが「覚えやすい特徴のある顔」というコメントだ。確かに2人はヒゲが濃くて毛が薄く、カツラでも着けようものならインパクトは大。そこにきて、作品規模にこだわらず、演技もできて、どのような役柄もこなせるのだから、引く手数多になるのは当然だったのだ。2人の勢いは、まだまだ続きそうである。
映画ライター:安保有希子
1975年生まれ。夕刊フジ、日経エンタテインメント、DVDレビューなど、新聞・雑誌で執筆する傍ら、ラジオで映画コメンテーターを務める。ジャンルを問わず映画を鑑賞するが、好んで足を運ぶのは、B級とホラーとアニメ。そのため、オタクと勘違いされやすいものの、決してそうではない、と頑なに言い張っている。
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