新型「レクサスLS」の縞杢ハンドル、老舗家具メーカーの匠の技
新レクサスLSは、天童木工の技術が生かした、縞杢(しまもく)ステアリングを採用している。38日かかるというその製造の様子が、動画共有サイトで公開されている。
トヨタ自動車が2012年10月11日に発売した高級車「レクサスLS」の新モデルは、新たに縞杢(しまもく)の本木目ステアリングを採用している。このステアリングの木工部品は、老舗家具メーカーとして知られる天童木工が製造している。
天童木工は、1940年創業の家具メーカー。木工家具に用いる成形合板の高い技術を有しており、1987年から乗用車向けの本木目内装部品を手掛けている。2006年9月発売のレクサスLSにも、ウオールナット(クルミ)など複数の木材を組み合わせた本木目ステアリングの木工部品を供給している。
縞杢ステアリングの木工部品の製造には、天童木工を含めて3社が関わっている。3社で合計67の加工プロセスを経ており、製造期間は38日に上るという。
まず、料理の桂むきのように薄く削り出した板材を、黒染めや漂白によって色調を変えてから、積み重ねて圧縮する。このプロセスは木材シート加工を手掛ける北三が担当している。次に、この圧縮材を板材の積層方向に対して垂直にスライスすると、シート状の木材の表面に縞杢の模様が現れる。このプロセスの担当はパナソニック エコソリューションズ内装建材である。
天童木工は、このシート状の木材を複雑な曲面をもつステアリングの芯材に貼り込み、縞杢の模様が水平方向に走るような最終的な加工を担当。職人の手作業による精緻(せいち)な仕上げにより、高級車であるレクサスLSにふさわしい品質を確保している。さらに、このステアリングの縞杢模様の方向が、新型レクサスLSで一新した水平基調のインストルメントパネルの存在感を引き立てているという。
動画共有サイトのYouTubeで、この縞杢ステアリングの製造の様子が公開されている。
なお、本木目とは、木目の柄をあしらった木目調の樹脂部品ではなく、本物の木材から製造した部品を使用していることを意味する言葉である。
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