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フィン付きタイヤで空気抵抗を低減、エアロパーツ並みの効果を確認(2/2 ページ)
横浜ゴムは、フィン状の突起を配置したタイヤ「フィンタイヤ」によって、走行時の車両全体の空気抵抗を低減できることを確認した。CD値の低減効果は、スポイラーやウィングなどのエアロパーツと同等以上という。
ベースは空力シミュレーション技術
横浜ゴムは、タイヤによって燃費を向上するために、転がり抵抗の小さいタイヤを開発・製品展開する一方で、次世代技術として空気抵抗を低減できるタイヤの開発にも注力している。2010年には、実走行を想定した条件下(タイヤハウス内に装着しかつ回転している状態)で、タイヤ周辺の空気の流れをシミュレーションできる空力シミュレーション技術を確立。その後、シミュレーションの範囲を車両全体へ拡張し、風洞試験との両面で研究を進めていた。
フィンタイヤは、この空力シミュレーション技術と風洞試験を活用して車両の空気抵抗を低減するタイヤ設計技術から得た具体的な設計案の1つだという。今後も、同タイヤ設計技術を用いて、タイヤ形状と空気の流れの関係についてさらに研究を進めるという。
なお、フィンタイヤの開発成果については、東京都内で開催された「第26回数値流体力学シンポジウム」(2012年12月18〜20日)で発表された。
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