空から、陸から、オーストラリア大陸をダイナミックに旅する:秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話(1/9 ページ)
観光列車でケアンズの熱帯雨林を抜け、復路はスカイレールで上空から景色を一望する。南オーストラリアのアデレードから北端のダーウィンへは、ザ・ガン鉄道で縦断。日本からのアクセスはジェットスター航空を利用し、空路と陸路で豪大陸を満喫した。
歴史あるキュランダ鉄道でケアンズの熱帯雨林を抜け、山頂からの復路はスカイレールで世界遺産のその壮大な景色を一望する。南オーストラリア州の州都アデレードから北端の街ダーウィンへは、ザ・ガン鉄道で大陸を縦断。途中の移動や日本からのアクセスはジェットスター航空を利用し、空路と陸路でダイナミックにオーストラリアを満喫した(写真撮影:倉谷清文)。
レトロな列車でのキュランダ観光
前日の20時10分に成田を発ったジェットスター航空JQ26便は、早朝の4時50分にケアンズに到着した。市内へ移動して簡単な朝食をとったあと、私たちはセントラルステーションに向かう。市内中心部からキュランダへ、世界遺産の熱帯雨林を抜けて約1時間45分で結ぶキュランダ鉄道に乗るためだ。
「いつか一度は乗ってみたいと思っていたんですよ。ようやく今日、その願いが叶います」
私の横で目を輝かせるのは、今回の旅の同行者である写真家の倉谷清文氏だ。彼に限らない。キュランダ鉄道は世界中の旅行者が憧れるアトラクションである。私も何年か前に初めて乗ったとき、車窓からの風景を眺めながら「精巧な重機もない時代によくこんな険しい山間に鉄道を敷いたなあ」と、困難を極めたに違いない当時の状況に思いをかき立てられた。
現在はもっぱら観光用だが、キュランダ鉄道はもともとはケアンズ西部の山を越えたハーバートンでスズを採掘する鉱夫たちのために敷かれたものだ。開通したのは1891年。セントラル駅を出発すると、列車は間もなくレトロな外観が印象的な次のフレッシュウォーター駅に到着する。「フレッシュウォーター」というこの駅名も、当時の鉄道建設労働者がキュランダ山脈に登り始める前に必要な飲料水を確保できる地点であることからつけられた。
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