空から、陸から、オーストラリア大陸をダイナミックに旅する:秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話(5/9 ページ)
観光列車でケアンズの熱帯雨林を抜け、復路はスカイレールで上空から景色を一望する。南オーストラリアのアデレードから北端のダーウィンへは、ザ・ガン鉄道で縦断。日本からのアクセスはジェットスター航空を利用し、空路と陸路で豪大陸を満喫した。
ホームからはみ出す先頭車両
この日の列車編成は計32両だと聞き、ざっと計算してみたら、長さは何と850メートルに! ホームの中央に立って左右を見渡しても、列車全体を視界に入れることはできない。「THE GHAN」のロゴマークの入った赤いディーゼル機関車の撮影に行っていた倉谷氏が戻ってきて、「だめです。撮れません」と私に言った。ホームの端まで行ったら、先頭車両はホームに収まりきれずにその先にはみ出していて、撮影できなかったというのだ。
先頭車両の写真は途中駅でチャンスを探ることにして、私たちはさっそく車内へ。それぞれにゴールドカンガルークラスのツイン寝台を予約しておいた。1両に9室が設置されている。ソファは3人でも余裕で座れてしまうほどゆったりだ。背もたれを倒すとベッドに変わり、また上部の壁の部分も手前に開けて2段ベッドに。ディナータイムに部屋を空けている間に、キャビン担当のスタッフがきれいにベッドメイクしてくれる。
各部屋にはアメニティとタオル類一式がそろったシャワー室やトイレ、クローゼットなども完備。ダイニング車両での食事時間は、乗車時に担当スタッフと相談して決める。私たちは20時45分からの遅めのをディナータイムを選択した。隣接するラウンジ車両にいつも少し早めに行き、バーで食前のスパークリングワインなどを注文してテーブルが用意されるのを待つ。食事以外の時間も、ビールを飲みながら車窓に広がる雄大な風景を楽しんだり、各国からの人たちと言葉を交わしたり──個室で過ごすよりもついラウンジへ足を向けることが多くなった。
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