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空港で預けた手荷物、手元に戻ってくるまでどうなってるの?:JALの舞台裏(2/4 ページ)
飛行機の旅ではスーツケースを機内に預けることも多い。到着地で当たり前のように出てくる荷物、一体どういう作業が行われているの?
手荷物を間違いなく搭乗便に割り振るための仕組み
さて、手荷物がベルトコンベアで運ばれていく先は「出発ソーティングエリア」と呼ばれる空港内の作業エリア。ここには手荷物をコンテナに収容する作業を行う「メイク」という場所がある。一般手荷物はカウンターからメイクまで自動的に運ばれてくる。
作業員が個々の手荷物を出発便ごとに仕分け、各便に搭載するコンテナの中に次々と積み込んでいく。その際、手荷物を絶対に傷付けないよう、細心の注意を払って丁寧に作業することを心掛けている。コンテナに余分なすき間を作らず、効率的かつ安定した状態になるように荷物を積み込むには、長年の経験に基づいた「熟練の技」が必要だ。
「手荷物が別の便に載せられてしまって、到着地で受け取れなかった!」という悲しい経験をした読者もいるかもしれない。そうした作業ミスの多くはこのコンテナへの積み込み作業の過程で発生する。そこでJALでは、手荷物に付けたタグに記載された便名のバーコードと、コンテナに記された便名のバーコードを自動的に照合する仕組みを導入している。
直線ベルトに載せた大型荷物やペットは、一直線のスロープで出発ソーティングエリアまで運ばれてくる。ここでインライン検査装置に通すのだ。ちなみに直線ベルトは2系統に分かれており、ペットは専用ラインを通ってインサイン検査装置をくぐらずに運ばれるよう配慮されている。
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