ルフトハンザの超豪華ファーストクラス専用ターミナル:秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話(1/3 ページ)
ドイツのフランクフルト空港には、世界でも珍しいファーストクラスの利用者だけの専用ターミナルがある。運営するのは、同空港をハブ拠点とするルフトハンザだ。今回はこの“究極”ともいえる施設に、読者のみなさんをお連れしよう。
ドイツのフランクフルト空港には、通常の旅客ターミナルからちょっと離れた場所に、世界でも珍しいファーストクラスの利用者だけの専用ターミナルがある。運営するのは、同空港をハブ拠点とするルフトハンザだ。その内部では、まさに“究極”ともいえるサービスが展開されている。今回は一般の人たちは絶対にのぞき見ることのできないこの施設に、読者のみなさんをお連れしよう。
ファースト料金はエコノミーの15倍
まずは、2つ質問したい。欧米などへの長距離路線で、上級クラスを利用するにはどれくらいの料金がかかるのか? 答えは……、正規料金で見ると「ビジネスクラスでエコノミー席のざっと10倍、ファーストクラスだと15倍」といったところ。では、続いてもう1つの質問。それだけ高いお金を払って、利用者はその金額に見合うだけの満足のいくサービスを受けられているのか?
2つ目の質問の答えは、ちょっと難しいところだ。私がこれまでファーストクラスの利用者たちに聞いた中では、例えば「機内ではシートもゆったりしているし、食事も豪華で、客室乗務員の対応もいい。ただ、飛行機の乗るまでの時間がねぇ……」と嘆く声が少なくない。空港に到着してチェックインし、長い列に並んでセキュリティチェックを受け、ラウンジで一休みしたあとは出発便の搭乗ゲートでまた少し待たされて──つまり「飛行機に乗るまでの煩わしさが、一般客とほどんど変わらないではないか」というのが彼らの言い分なのだ。
そうした利用者たちの声に早くから真剣に耳を傾けてきたのがドイツのルフトハンザで、同社は2004年12月、ハブ拠点であるフランクフルト空港に「ファーストクラス専用ターミナル&ラウンジ」を開設した。
関連記事
- 新しいジャンボ機、747-8Iのデビューフライトに密着
次世代ジャンボがデビューした。747-8インターコンチネンタル(747-8I)である。この最新鋭機をどこよりも早く導入したのが、ドイツのルフトハンザだ。2012年6月1日、フランクフルトから米国ワシントンD.C.への初就航フライトを密着取材した。 - 7億円を投資してバイオ燃料の旅客機を飛ばすルフトハンザの本当の狙い
地球温暖化の防止へ、エアライン業界でもさまざまな取り組みが始まった。環境規制の厳しい欧州では現在、ドイツのルフトハンザが、バイオ燃料による商業路線でのデイリー運航を実験的に続けている。 - レトロな航空機「ユンカース Ju52」でフランクフルト上空を散策
今回のドイツ渡航は、ルフトハンザの“新”と“旧”の取り組みに触れることが目的だった。バイオ燃料フライトを体験した私たちは、続いて同社が維持・保管する伝説の名機「ユンカースJu52」のフライト取材に向かう。 - 世界最大のオール2階建て旅客機、エアバスA380を解剖する
2007年10月にシンガポール航空のシンガポール/シドニー線でデビューを果たしたエアバスのオール2階建て旅客機A380の、世界へのネットワークが広がっている。「空飛ぶ豪華ホテル」の異名をもつこの巨人機は、どんな発想から生まれ、旅の可能性をどう広げたのか? - 「秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話」バックナンバー
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.