実践したい空の旅のマナー&エチケット:秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話(1/3 ページ)
雲の上では、出会う乗客のタイプもいろいろだ。旅慣れたスマートな人もいれば、思わず目を覆いたくなるような身勝手な行動をとる人も。飛行機は大人のマナーを身につけて、カッコよく乗りたい。
世界の空を旅していると、機内で出会う乗客のタイプもいろいろだ。「ずいぶん飛行機に乗り慣れているなあ」と思わず感心してしまう人もいれば、一方でつい目を覆いたくなるような身勝手な行動をとる人も。楽しいフライトにするためにも、飛行機は大人のマナーを身につけてカッコよく乗りたい。
空港への到着は余裕をもって
空港には出発のどれくらい前に到着するか? アンケートをとると、ときどき「出発のぎりぎりに」と答える人がいる。それが旅慣れた人の証明だと勘違いしているようだ。
上級クラスの乗客に限ってそんなふうに言う人が多いように感じるが、現在は空港ラウンジも豪華になっているのだから、それを利用しない手はない。また時間帯によってはカウンターが混み合い、1人の人間のために飛行機が遅れる原因にも。出発時刻が迫っても現れない乗客のために、ときどきエアラインのグランドスタッフが広いターミナルを捜しまわっている姿も見かける。空港には余裕をもって到着しよう。
預け入れ荷物の注意点
出発の際に預けた荷物が、どこへ行ってしまったのか、到着地の空港で出てこない──そんな「ロストラゲッジ」の経験はないだろうか? 原因の1つは、荷物に貼られるタグの読み間違いだ。過去のフライトの際に付いたままのラゲッジタグは、到着時に外しておくことを心がけよう。大きなものの他に、いくつか必ず貼られるバーコードの小さなシールも、コネクションフライトの際に誤乗り換えの原因になる。
すべてバーコードで読んでいるので、本当はかばんにあれやこれやのシールを貼るのもお勧めできない。ときどきカウンタースタッフが、せっかくきれいにしている爪を立てて古いタグを一生懸命はがしている光景を見かけることがある。
上着やコートを預けるときは搭乗券も
「お客さまからコートをお預かりするときに、こちらが要求しなくても搭乗チケットの半券をすっと差し出してくれるような相手には、ぐっと来ますね」。そう話していたのは、ある欧州系エアラインでビジネスクラスを担当していた客室乗務員。半券を一緒に預からないと、返すときに困るのだ。
そして彼女はこんなことも。「ジャケットをお預かりするときにこちらから搭乗券の半券をお願いしたら、にこっと笑ってそのジャケットの胸ポケットを指差したお客さまがいました。見ると、そこにちゃんと半券がささっていたんです。これは米国の人でしたが、ユーモアのセンスを感じましたね」
関連記事
- よく聞く「ハブ空港」って何?
2011年12月からスタートし、空の旅を続けながら読者のさまざまな質問に答えてきた「旅客機と空港のQ&Aシリーズ」。到着したロンドンから送る最終回は、空港でふと疑問に思う4つの話題にスポットを当てる。 - 空港ターミナルにビール醸造所? 世界の空港探訪記
世界の空を飛びまわっていると、各地のさまざまな空港で意外なものやユニークなシーンに遭遇する。「世界の空港探訪記」と題して送る第1回は、米国と欧州の4つの空港で発見した、ちょっと面白いいくつかを紹介しよう。 - これがファーストクラスの最高峰、エミレーツ航空の「プライベートスイート」だ
贅沢の粋をきわめたエアライン各社のファーストクラスのなかでも、エミレーツ航空がオール2階建て機エアバスA380に設置した個室キャビン「プライベートスイート」はとにかくスゴい! 成田からドバイへのEK319便で体験した、極上の空のもてなしをレポートする。 - “最強”の呼び声も高いシンガポール航空のビジネスクラス
エアライン人気ランキングで常にトップ3の一角を占めてきたシンガポール航空。なかでも長距離用機材に搭載しているビジネスクラスは「最強」と評価する人が少なくない。エアバスA380で運航する成田からシンガポールへのSQ011便で、極上のフライトを体験した。 - 「秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話」バックナンバー
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.